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どこで決まった!? 石神井庁舎の「方向性」 ~石神井公園駅南口「再開発」(その2)~

石神井公園駅南口西地区の市街地再開発事業についての投稿を続けます。

1月31日の区議会環境まちづくり委員会に提出された資料を見て、驚きました。石神井庁舎の移設(機能移転)について、極めて具体的に書かれているのです。その部分がこれです。

石神井庁舎の建て替えが、10年の単位では重要な課題となっていることはその通りです。しかし、ここに書かれていることは、そのはるか先を行っています。

①石神井庁舎内の区民事務所や総合福祉事務所を再開発ビルに移設する
②石神井庁舎の敷地には、周辺施設を統合・再編し、区民が活動できる複合施設とすることを検討する
こんな話、初めて聞きました。石神井庁舎の今後のあり方については、『公共施設総合管理計画(素案)』がはじめて正式に言及しました。
「建築後45年以上経過しており、今後10年程度の間に改築に向けての方向性を定める必要があります。行政機能の維持、区民の利便性、敷地の有効活用、石神井公園駅周辺のまちづくりなど、様々な観点から将来的なあり方を検討します。その際、民間活力を導入する整備手法を含めて検討します。」
しかし、ここに書いてあるのは、「様々な観点から将来的な在り方を検討」するということだけです。福祉事務所や区民事務所を移転するとか、周辺施設を統合・再編するなどということは、どこにも書いてありません。しかも、この『公共施設総合管理計画』はまだ素案です。
委員会での質疑の中では、区側はこんな答弁までしています。まず、課長。
「3階から5階。このスリーフロアには、今回、公益施設といたしまして、区が、石神井庁舎にございます区民事務所や福祉事務所などを移設致しまして、整備する方向で検討中でございます。」
「現在検討中の市街地再開発事業により、駅直近に石神井庁舎内の区民事務所や総合福祉事務所など生活に密着した行政サービスの機能を移転することで、区民の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。」
最後に、都市整備部長も立って答弁しています。
「駅前ということでございますので、区民事務所ですとか福祉事務所等々、比較的区民の方が訪れて短期間、例えば申請をしたり書類の交付を受けたりといった場所に使われると便利かなと思ってございます。一方で、石神井庁舎の方でございますけれども、駅からは若干離れているということもあって、こちらについては、庁舎に残る機能、周辺の公共施設も一定程度老朽化してくるということもありますので、そういったものを石神井庁舎のところに集約をして整備をしていければと思っています。」
いやあ、具体的で生々しい…。しかし、少なくとも、これまで公けに語られ積み上げられてきた議論からはあまりに飛躍した内容です。そもそも、福祉事務所の所管は福祉部。区民事務所の所管は、区民部。そして、石神井庁舎の建物は総務部の管轄です。それぞれの所管部は、この生々しい話を了解しているのでしょうか?
決まったわけではない、たたき台だとか、方向性だとか、いろいろ言い訳をしようともしていますが、だれが、どこで、ここまで具体的に方向性やたたき台を固めたのか、区はきちんと説明すべきです。「検討中でございます」と課長は言っていますが、どこで、だれと検討しているんでしょう。
所管部や所管の議会委員会で全く言及も報告もされていない話、区の行政計画の中でも全くオーソライズされていない話が、所管外のまちづくり担当の口から「考えております」「思っています」という形で飛び出してくる。しかも、議会という公の場で、飛び出してくる。議会のルール、行政の事務の責任分担という点では、極めて異例なことです。とにかく、いろんな話を盛り込んで、再開発に対する合意を取り付けようと焦っている。私には、そう感じられてなりません。そうまでして再開発を後押しするのは、なぜでしょう??
しかし、この委員会報告への疑念は、まだまだあります。(続く)

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