相鉄本線のこと ~新宿線「地下化」のヒント~

相鉄本線は、横浜駅と海老名駅を結ぶ相模鉄道の幹線です。この相鉄本線の鶴ヶ峰駅周辺で、連続立体交差事業の準備が進められています。連続立体交差事業とは、鉄道と道路を立体交差にして“開かずの踏切”を解消することを目的とした事業で、ちょうど今、西武新宿線(井荻~西武柳沢駅間)でも都市計画決定に向けた手続きが始まったところです。
この相鉄本線(鶴ヶ峰駅周辺)の連立事業は、西武新宿線の「地下化」の可能性を考えるうえでとても重要なヒントをたくさん提供してくれています。少し詳しく紹介させてください。

相鉄本線(鶴ヶ峰駅周辺)の連立事業に関する説明会が、5月末に開催されました。主催は横浜市。横浜市は、この連立事業の事業主体です。この説明会で公開された資料の中に、こんな表がありました。

費用は3割高、それでも選んだのは「地下」

ご覧の通り、横浜市が採用しようとしているのは「高架」ではなく「地下」方式です。表を見ると、事業費では「高架」方式が590億円、一方で「地下」方式は740億円。地下の方が3割近く高い見積もりになっています。しかし横浜市は、それでもなお「地下」を選択しました。なぜか?

「まちづくりの自由度」や「地元要望」も、評価の対象に

騒音や振動などの環境影響については、「地下」の場合に大きく軽減されます。しかし、それだけであれば、150億円もの事業費の差を覆す理由にはならなかったかもしれません。それ以外にも、横浜市が「地下」を選ぶ大きな理由がいくつもありました。
この表には、例えばこんな評価項目が設定されています。
①景観
②地元要望
③まちづくり
これらの項目での評価はすべて、「地下化」を優位とするものでした。「高架」であれば景観が阻害される可能性があるのに、「地下」であればむしろ整備される。まちづくりの自由度は、「地下」が圧勝。地元は「地下」を望み、「高架」を求める声はなし…。大きな事業費の差を補って余りある利点、長所が「地下」方式にはある。これが、横浜市の出した結論でした。すばらしい。結論もだけれど、評価の視点、視野の広さが素晴らしい。

この3つの項目は、とても基本的で、大切で、項目として挙げられて当然と思われるものなのですが、実は、こうした項目は西武新宿線での構造形式(高架か地下か)の比較検討の中では、そもそも項目として取り上げられていないのです。なぜ横浜にできて、東京都や練馬区にはできないのか?

相鉄本線の連立事業の注目すべき点は、まだまだあります。(続く)

|2019-06-11T00:42:59+09:002019年6月11日|コメントはありません

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