駅喫煙所の受動喫煙、放置できない

練馬区内の5つの駅に8か所の「喫煙所」が置かれています。練馬区がわざわざ設置したものです。

喫煙所の設置場所 (練馬区の公式サイトより)

なぜ区がわざわざ喫煙所を? 駅利用者がたばこのポイ捨てや歩行喫煙をしないようにするためには、“公認”の喫煙場所を確保することが効果的だ——こんな理屈です。練馬区には受動喫煙防止のための条例はありません。「歩行喫煙等の防止に関する条例」というのはありますが、この条例が規制しているのはあくまで「歩行喫煙」と吸い殻のポイ捨てです。「歩行喫煙」とは、「公共の場所において、歩行中および自転車等で移動中に喫煙すること」と定義されていますから、実際には、一定の場所に立ち止まって喫煙することは規制されていません。受動喫煙から区民を守るという点では、きわめて中途半端な条例であり、そもそも公共の場所での受動喫煙を防止すべきものという共通の認識自体がないと言ってもよいでしょう。
実は、当初は区も受動喫煙防止の条例を制定するという方向でした。健康推進協議会の中では、条例の内容についての詳細な検討さえ行われました。しかし、最後の段階で様々なプレッシャーのせいなのか、受動喫煙防止の目的は背景に隠れ、歩行喫煙やポイ捨ての防止にすり替わり、所管も健康部から環境部に移ってしまったのです。

前置きが長くなりましたが、そんな経過の中で、歩行喫煙規制とセットで各駅に喫煙所が区の負担で設置されました。しかし、この喫煙所は全くと言ってよいほど受動喫煙の防止対策が講じられていません。しかも、駅ですから当然、たくさんの人が通ります。特にたとえば大泉学園駅の南側にある喫煙所(写真)はエレベーターや階段の目の前、富士見台駅北側の喫煙所は駅利用者の導線のすぐそばといった具合で、たくさんの苦情が区にも議会にも寄せられているのが現状です。

この喫煙所の問題を、決算の審査の中で取り上げました。喫煙所の撤去あるいは受動喫煙防止対策を求めるものです。以下、質疑の内容を紹介します。区の答弁では、喫煙所では一日になんと2000本以上のたばこが吸われているそうです。とくに①大泉学園駅南口、②富士見台駅の喫煙所は、受動喫煙防止施設の整備は困難であり、早急に撤去すべきです。


池尻成二委員 駅近傍の喫煙所は小竹向原の喫煙所が廃止されまして、今、5駅8か所だそうです。私もよく使う大泉学園駅のペデストリアンデッキの喫煙所などは、私たちも大変よく苦情をいただきます。ぼかの駅でも苦情の多い駅もあるようではありますけれども、もともと駅至近の喫煙所については、ポイ捨てや歩行喫煙を減らすという趣旨で設置された経緯があろうかと思います。
しかしながら、都が改めて受動喫煙の防止のための条例を相次いで制定するなど、受動喫煙そのものに対する社会の目がますます敏感で厳しいものになってきているのも間違いないところだと思います。
喫煙所のせいで駅利用者が望まぬ受動喫煙を強いられることは許されない時代に入っているのではなかろうかと思うわけですけれども、まず、一つの喫煙所で大体一日何本ぐらいたばこが吸われているか、概略で結構ですので教えていただけますか。
環境課長 環境課で喫煙所の清掃をしている者がございまして、そこの報告を見ますと、大体重さなり目方なり目分量でやっているものではありますが、1,000本から2,000本といったところが多い状況でございます。
池尻成二委員 それは一日当たりということでしょうか。
環境課長 失礼いたしました。毎日清掃しておりますので、一日当たりでございます。
池尻成二委員 一日1,000本から2,000本の吸い殼がポイ捨てされなかったととることもできるとは思いますけれども、他方ではその喫煙所で一日1,000人から2,000人の方がたばこを吸っているわけですよね。しかも駅至近で、たくさんの通行人が通っている場所だということについては、課題があるだろう。しかも今、喫煙所は一部を除いて大半は全く開放された空間のもとに灰皿が置いてあるだけというつくりになっていると思います。
改めて、駅周辺の喫煙場所については早急に撤去するかしっかりした受動喫煙防止の対策を講ずるか、いずれかを求めたいと思います。区のお考えをお聞かせください。
環境課長 喫煙所に関しましては、苦情を寄せられているところも確かにございます。また先ほどの話ではありますけれども、ポイ捨てへの効果も一定程度考えられるとは思っておりますが、望まない受動喫煙も好ましくはないと考えております。
いろいろと都の条例やら都の補助の話も出ておりますので、その辺なども考えながら、周辺の方の意見を聞くなどして対応を進めていきたいと考えております。
池尻成二委員 東京都が二つ条例を成立させまして、国も法律を改めて、これは健康増進法の改正ですけれども、法律を整備した。
それぞれ内容についてはいろいろと評価や異なる点等もあるわけですけれども、ただ基本的には受動喫煙を避けるための努力をしっかり社会的にやっていこうという意味での大筋の流れはかなり加速化していると思います。
東京都の子どもを受動喫煙から守る条例を見ておりますと、第3条でこう書いてある。
「都民はいかなる場所においても子どもに受動喫煙をさせることのないよう努めなければならない」。この受動喫煙の定義もありまして、これは、「他人が発生させるたばこの煙またはたばこを吸っている他人の呼気に含まれる煙(肉眼で見える煙に限らず、残留するたばこの臭気その他の排出物を含む)にさらされることをいう」と非常に厳格な受動喫煙の定義が入っているわけです。
これは努力規定ではありますけれども、都民全体に対していかかる場所においても受動喫煙をさせることのないように努めるという条例が成立した中で、駅至近の喫煙場所はこの都条例に抵触するのではないか。特に公が設置するわけですから、都条例との関連でもこれは早急に対応について検討すべきではないかと思います。お考えをお聞かせください。
環境課長 都条例では、通学路ですとか、子どもがいるような病院のそばといった規定がありますので、そういったところで配慮を求めることが規定されていたと思います。
区といたしましては、引き続き喫煙所の動向についてはいろいろな意見を聞きながら対応してまいりたいと考えております。
池尻成二委員 都条例のつくりとしては、今、課長がおっしゃったような特定施設については直接的な規制が入っていますけれども、それ以外に先ほど紹介したように、「いかなる場所においても」ということで包括的な努力規定を置いておりますので、その趣旨はしっかり踏まえていただきたいと思います。
あわせて、これは要望にもなりますけれども、光が丘公園のふれあいの径の商業施設と清掃工場の間の駐輪場に、これも古くから全く開放型の喫煙場所があります。これについても、地域の方からたくさん苦情をいただいております。これは都の施設ですから、当然都条例の課題でもありますので、ぜひこういうところについても要望を出していただきたいとお願いして終わります。

|2018-10-19T11:48:06+00:002018年10月14日|コメント(0)

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