う~む、これか… ~練馬区の補正予算~

練馬区の補正予算案が区議会に提出されました。補正額は歳入・歳出とも14億1,148万5千円。歳入のうち約10億円は基金 (財政調整基金) からの繰り入れで、他は国や都からの補助金、「特定財源」です。

この14億円ほどの財源を使ってどんな事業に取り組むのか? この時期ですから、当然、「新型コロナ」対策がメインです。「緊急事態」の下、区民生活を支える大切な補正予算です。その内容をいくつか紹介します。

◆ 商店街応援プレミアム付商品券 2.9 億円

区内商店会加盟店で使える商品券を発行。6,000円分の商品券を5,000円で買えるということで「プレミアム付」。発行予定額は10億円で、これにプレミア分2 億円を区が補助。予算額2.9億円のうち、残り9 千万円は事務経費。

論点
Q. 生活が一気に厳しくなっている中で、いくらプレミアムが付くからと言って、支援が本当に必要な人たちは最低5,000円の商品券を買うだろうか
Q. 「コロナ」によって物を買うという行為自体が大きく様変わりしている中で、商店街に必要な支援は商品券だろうか

◆ 介護等従事者特別給付金 3.0 億円

介護、保育などのサービスを支えている従事者に常勤換算一人当たりで2 万円を給付。事業者から従事者の状況を申請してもらい、常勤換算の人数で支給。実際の配分は事業者に一任。全額、区の単独財源

論点
Q. 国が予定している給付事業との関連はどうなるのか。給付範囲は直接支援の従事者のみ?
Q. 3億円の財源を投入するのであれば、介護や保育現場への支援の課題や在り方を整理すべきではないか
Q. 一部で適切な支援が行われなくなっているケースなど、利用者・当事者の視点に立った検証も必要

◆ 妊婦へのこども商品券配布事業 1.1 億円

妊婦さんにひとり1 万円の「トイカード」( こども商品券 ) を提供。通院等のタクシー利用が主な目的。全額、都からの補助金

論点
Q. そもそもこのカードの使い勝手は? タクシーに使うというが、タクシーはつかまるのか?
Q. 妊婦やその胎児は定額給付金の対象外。児童手当の上乗せもなし。支援として十分か

◆ 国民健康保険傷病手当金 0.4 億円

国民健康保険に加入している「被用者」がコロナやコロナの疑いのある病気で休業した時に、所得の6 割程度を補償する仕組みを創設。必要な経費はすべて国が補てん

論点
Q. もともと被用者保険ではなく、自営業者など様々な人が加入している国保で、なぜ「被用者」つまり給与所得等を受けている人だけに限定するのか
Q. 「濃厚接触者」ということで自宅待機を求められたような場合は補償されないのか

◆ 介護保険料、国保保険料の減免へ

コロナの影響で給与などの所得が3 割以上減った場合に、今年2月から来年3 月までの保険料を最大全額減免する。免除相当分を国が財政補てん

論点
Q. 必要な人に適切に支援の手が届くか。周知や手続きは?
Q. 規模、対象者、減免範囲などこれまでの減免制度から大きく転換した内容だが、制度上の一貫性、公平性をどう担保するのか

補正予算に盛り込まれた様々な事業や施策が、「新型コロナ」対策として意義ある支援になるのか。使い勝手はどうか?気になるところも多く、しっかりチェックしていきます。

また、予算に盛り込まれなかったものもとても気になります。やるべきことをやれているか。措置すべき予算を後回しにしていないか。とくに、生活支援と並ぶもう一つの大きな柱、医療や検査体制の拡充、介護や保育の基盤強化については、残念ながら目新しい事業は予算化されませんでした。

区独自のPCR 検査センターは、6月末までの契約で、予算も7 月以降については手当てされていません。今後の第二波等に備える意味でも、さらには検査の対象を広げていくためにも、検査センターの体制強化や個所数増をこの補正予算にしっかり盛り込むべきでした。また、経営悪化が進む地域の医療機関への支援策が盛り込まれていないのも、残念です。4月5月と、医療機関の経営環境は急速に悪化しています。保険診療の仕組みでは、実際の収入 (保険料支払い) は2か月遅れとなるため、今月6月、一気に深刻な状況が表面化する可能性が高いと言われています。大病院だけでなく、地域の診療所など日々の医療を支えている医療機関をバックアップすることは、区の大切な責務です。

この6月議会の機会を逃すと、通常は次の議会は9月になってしまいます。緊急事態が解除されたこの大切な猶予時間は、次の波に備えた医療や介護の体制強化にしっかりと充てるべき時でもあり、そんな視点からもしっかりした議会の議論が求められています。

|2020-06-09T09:08:32+09:002020年6月9日|コメントはありません

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