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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

定例会、終了

 長い議会が終わりました。議員になって、通算すれば6回目の決算審議。毎回毎回「時間が足りな~い」と愚痴ばかり言っているのはいやなので、あれやこれやと工夫をしてきましたが、今回は“ネットワーク型”あるいは“多少面作戦型”に挑戦してみました。と大げさに言ってはみても、なんてことはない、1回は7分だけれど、上手にテーマを何日かに割り振ればその分時間は長くなる…? ちょっと苦しいけれど、これもまた、ひとつの知恵です。
 今回は、「委託化」を検証する、というテーマを立てて、いろんな角度から質疑を組んでみました。総務費、区民費、教育費、それに全款の一部もあわせれば20分以上にはなるでしょうか。どれほどの効果があったかはともかく、まぁ、我れながら必死によくがんばったものです。
 それにしても、振り返ってみれば、やはり一つ一つの議会、一回一回の決算にはそれなりの個性や顔つきがあるものです。ちょっと距離を置き、ちょっと目線を先にやれば、政治とその根底にある社会や経済の大きな流れが、意外とはっきりと見えてくるものです。「目の前の財政効果に目を奪われている」と、私はよく区政の現状を批判しますが、議員にしても、目の前の票、目の前の支持者、目の前の陳情に目を奪われがちだという点では、決して他人事ではありません。もって他山の石とすべし。

 最終日の本会議で、決算の認定に反対して討論を行いました。この議会の、私なりの総括でもあります。最後に転載しておきますので、よろしかったらご覧下さい。

 とまれ、お疲れ様!

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07年度決算に対する反対討論(一部)
 区に今、一番求められているものは、「自分がもし当事者だったら…」という想像力と共感ではないでしょうか。もし自分が、昇給も退職金もない、一年限りの雇用契約しか結べないとしたら。もし自分が月に20万に届かないような給料で過酷な労働に耐える介護施設のスタッフだったら。もし自分の子どもに心身のハンディがあり、一人で学校に通うことができなかったら。もしそうした想像力と共感があれば、きっと、不安定雇用に甘える「委託化」には痛みを覚え、もっと必死に介護現場を立て直そうとし、そして「登下校はお母さん、付き添いお願いね」などとは容易に口にはできないはずです。
 私は、一般質問の中で、最近の練馬区政を「いわば手足どころか足腰までも失い、宙に浮いた頭だけを残そう」としていると評し、強い疑問を呈しました。そこで述べたように、「生き生きとした手、しっかりと地についた足腰こそが、活発で現実的な知的活動の源、推進力」であるからです。社会の課題を拾い上げ、つかみ取り、力を尽くして取り組んでいく、能動的で主体性のある区政。もっとも支援を必要とする人たちに最も強い共感を寄せながら、社会の貧しさや生きにくさと先頭に立って格闘する区政こそ、これからの練馬にふさわしいと私は考えます。
 しかし、志村区政の向いている方向は、異なります。
 志村区政2期目の初年度に当たる本決算の最大の特徴は、100億円を越す一般会計剰余金の存在です。しかし、潤う区政の裏側では、少なからぬ区民が税や社会保険料などの過酷な負担増に泣いています。そして、公的な福祉の水準はじわじわと後退し、「委託化」が進む中、官製ワーキングプアが広がり、契約ルールや個人情報保護など区政の根幹に関わる規範がそこなわれつつあります。長期的な視野と区民本位の理念を見失い、目先の財政効果に振り回されるなかで、職員の士気とモラルの低下も目に付き始めています。
 巨額の財政黒字の裏側には、まさにこうした区政・区民生活を取り巻く課題が渦巻いているのであり、こうした点をしっかりと自覚することこそ決算の最大の課題である――このことを強く指摘して、討論を終わります。

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