Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

子どもの“権利”を、子どもの目線で語ること ~小金井市「子どもの権利に関する条例」~

23日、小金井市議会議員選挙の応援に行ってきました。片山かおるさんと坂井えつ子さん。市民自治こがねいという、歴史ある市民団体に支えられた二人です。片山さんは、2015年の私たちの区議選で応援してくださったし、その後も福島の避難者のことなどでとてもお世話になりました。二人には、なんとしても当選してもらいたい。

半日、小金井に入って、この人口11万人ほどの自治体のことを少し知ることができました。野川、はけ、国分寺崖線も印象的でしたが、今日は「子ども」のことを。小金井市には、子どもの権利に関する条例があります。
     ➡条例本文はこちら
こうした条例があるだけでもうらやましいけれど、なかなか素敵な条例です。前文には、こう書いてあります。

子どもは、愛情をもって自分のことを考え、接してほしいと願っています。子どもは、成長の過程で間違い誤ることもあります。そんなときも、愛情をもって教え導かれ、見守りはぐくまれることで、自分自身のことを大切に思い、安心して成長することができます。
子どもは、自分の意思を伝え、受け止められることを願っています。どんなに小さい子どもでも、自分の意思を伝えようといろいろな方法で表現しています。それらを真剣に受け止めてくれる相手がいることで、他者の意思を受け止め、思いやるように成長することができます。
子どもは、より良い環境で育ち育てられることを願っています。安心して過ごすことができる相手や時間や空間が保障されることで、経験を成長にいかすことができます。自分の言いたいこと、考えていることを自由に表現できる環境が確保されることで、他者の考えに気付くように成長することができます。
このように、子どもは、愛情をもって育てられることで自分の意思を持ち、それを自由に表現できる環境があることで、他者と共に生活していることに気付きます。そして、他者と共に平和な暮らしを創り出すことが大切に思えるように成長することができます。「愛情」「意思」「環境」は密接に関連し合いながら、おとなへと成長していく子どもを支えているのです。また、「愛情」「意思」「環境」は、おとな、そして社会全体にとっても必要です。
「愛情」「意思」「環境」が尊重され、安心して生き生きと暮らしていくために、そして「愛情」「意思」「環境」を願い求める子どもの権利が保障される社会にしていくために、ここに条例を制定します。

名文、というのとはちょっと違うかもしれないけれど、でも、目線の低い、人の手の(あるいは、心持ちの)ぬくもりが感じられる文章です。一人の市民として、片山さんはこの条例作りに参加していたそうです。彼女の雰囲気、そして小金井の持つやわらかな空気と、どこかで重なって見えます。

もう一つ、見つけました。「いじめのないまち 小金井宣言」です。2012年10月に出されたもの。こんな宣言です。

未来を担う子どもたちが、笑顔とともに元気で、毎日を過ごすことは、みんなの願いです。ここに、「いじめのないまち 小金井」を宣言します。
一 こころをつなぎ「いじめゼロ」をめざします。
一 がまんをしないで相談します、相談させます。
一 ねばりづよく、かけがえのない命を守ります。
一 いじめをしない、させない勇気を持ちます。
小金井市は、学校等、市民の皆さんとも力を合わせ、子どもたちが温かい人間関係を築き、夢と希望を持って健やかに育つことができるように、全力で取り組むことを誓います。

これもまた、なかなかいい。いじめをなくす基本は「心をつなぐ」こと。「温かい人間関係を築く」こと。その通りのはずなのだけれど、「いじめ」に対する取り組みがしばしば強い言葉、規制的な表現、“上から”の目線で語られるのを聞いてきた身からすると、本当に新鮮です。
ちなみに、練馬区と練馬区教育委員会は「いじめ撲滅宣言」に大々的に取り組みました。その基本姿勢は、「いじめは、人間として絶対に許されない人権侵害です」と記されています。撲滅、許されない…こうした言葉や感性にずっと違和感を感じてきた私は、小金井に行って、少しホッとしたのです。
明日の投票日、良い結果を心待ちにしています。

コメント