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これじゃ“東京都庁練馬支部”? ~副区長も都の官僚OBに~

 区議会の第2回定例会が終わりました。区長選に出馬するために議員を辞めてから2か月半、議会の外からにはなりますが、ずっと気になっています。
 前川区政、初の議会です。所信表明を傍聴に行きました。本会議を傍聴席から眺めるのは12年ぶり。所信表明のなかで、新区長は「区政運営に臨む基本的考え方」について語りましたが、ハッと思ったのは次の一節でした。

 第四は、「区政の窓を大きく開き、外の風にあてること」です。
 これまで区の職員が職務に精励し、努力してきたことは十分に承知しています。しかしながら、その一方で、組織が、知らず知らずのうちに、内向きの閉じた運営になっているのではないかと危惧しています。外部からの人材の活用も図りながら、区政を活性化し、組織の力を引き出していきたいと考えております。

 「内向きの閉じた運営」になっていたというのは、なかなか率直な認識の表明です。「外の風にあてる」「外部からの人材の活用」…いいんじゃないですか? さて、何がどう変わっていくんだろう。議会の成り行きを注目していたのですが、しかし、がっかりしてしまいました。副区長の人事です。
 新区長が議会に提出した議案の中で何と言っても注目すべきは「副区長を2人にする」という議案でした。「トップマネジメント」を強化するために、これまで1人だった副区長を2人にし、かわりに事業本部制を廃止するというものです。そして、前川区長がその2人目の副区長に選んだのは、なんと東京都の局長OBでした。

     ➡練馬区Hp 副区長が2人体制となりました

 副区長に選ばれた山内たかおさんという方、前川区長の数年後輩の方でしょうか。選任の理由は「都の要職を歴任し、豊富な経験と高い見識を有しており、能力、人柄ともに優れている」ということだそうです。 前川さんも福祉保健局長をしていたそうですから、きっとよく知る仲なんでしょう。しかし、なんでまた都の官僚OBなの? 区長も副区長も都の元局長、「都の要職を歴任」…これじゃまるで“東京都庁練馬支部”じゃないの?と、皮肉の一つも言いたくなります。
 そもそも都のOBを引っ張ってきて、どうして「外の風」とか「外部の人材」などと言えるのでしょうか。同じ役所、密接につながった都と区との関係で言えば、都のOBは“身内”みたいなものです。そして、区長-副区長はまさに身内。身内で固めたトップマネジメント、ということになるのでしょうか。だいたい、練馬区には都庁のOBに頼る以外に人材はいないのでしょうか!?
 区長選の時、いやその前から、私自身も事業本部制の廃止と副区長の2人体制を口にしてきました。しかし、もし私が区長だったら、決して都のOBを副区長に引っ張ってくることはなかったでしょう。だって、練馬にはそれぞれの分野で貴重な人材がたくさんいる。役所の実務に通じた副区長は1人で十分。2人目は、区政に市民感覚を吹き込み、区民に開かれた区政を象徴する人を選んだはずです。

 自治の気概、自治の力が、練馬区政から消えていこうとしている。そう思えてなりません。

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