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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「日額旅費」(費用弁償)のこと

 議員が議会の会議に出席すると、「日額旅費」が支給されます。今は1日当たり3,000円。性格は“費用弁償”とされ、旅費つまり交通費に相当するものというのがおおやけの説明です。
 日額旅費は、私が議員になった2003年当時は6,000円でした。そのずっと前は4,000円だったものが1986年に5,000円に、93年に6,000円に引き上げられています。議員になった当初、議員報酬以外に1回会議に出ただけで6,000円も受け取る、しかも「交通費」として受け取ることになっていことを知り、大変驚いたものです。なにしろ私が議会に出るためにかかる交通費は、駅までバスを使ったとしても往復で800円にもなりません。6,000円といえば、アルバイトの日当です。
 納得できなかった私は、同じ2003年の選挙で初当選した他の二人の議員と話し合い、この日額旅費を受け取らないことにしました。受け取らないといっても、現実には、法律や条例の仕組みなどで支給そのものを止めることができず、また返還すると法律に反する寄付行為に当たるということで、国に供託の手続きを取ったのです。この動きは、新聞でも大きく報じられました(2003.8.20)。


 その後、行動を共にした他の2人は落選し、議員当初から供託しているのは私だけになりました。2007年に議会でも大きな見直し論議がありましたが、3,000円に引き下げるという中途半端なものに終わりました。この時から供託に加わる会派も出てきましたが、しかし、議員の大半は今でもそのまま受け取っています。そして、この7月で供託開始から10年です。
 供託は、10年そのままになると国庫に没収されます。没収の時期が迫り、改めて供託してきた日額旅費をどうするかあれこれ考えていたのですが、練馬区の税金で支払われる日額旅費を国庫に没収されるのは本意ではありません。そこで、今後は供託をやめ「基金」として積み立てることとしました。
 「基金」の使途については、池尻の私的な支出のために使わないこととし、①区外の民間活動団体等に寄付する、②議員退職後、区内の活動団体等に寄付する、③区政転換をめざす政治活動に寄付するなどの形で有効に活用したいと思います。
 ちなみに、この10年間で私に支払われるはずであった日額旅費は、6月分までで3,087,000円に上ります。50人の議員で計算すると、1億5000万円を超えます。他の自治体では、日額旅費を廃止したり、交通費実費に改めるところも増えていますが、お手盛りの議員特権と言われても仕方のない支出です。日額旅費の抜本的な見直しは、議会改革という意味でも、喫緊の課題です。

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