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「入るを計って…」

 予算特別委員会1日目。誰もがきびしい財政事情について語り、しかし、その中でどう対処するかについては会派によって意見が鋭く分かれている。そんな質疑でした。
 それにしても、ちょっと呆気に取られたのは、「入るを計って出るを制すというのは古い経済学だ!」と断じた区長の答弁です。いろんな思いがおありだったのでしょうが、それにしても、新年度予算編成にあたって区当局を支配していた気分のようなものを伝える答弁でした。
 確かにまぁ、このくらいの気分がなけりゃ、せっかく積み上げてきた財政調整基金97億、施設整備基金65億など、総額で170億円を超す基金をいっぺんに取り崩すなんて決断はできなかったろうと思います。しかし、おかげで年度間の財政の過不足に備えるための財政調整基金、まさにこれからしばらくはお世話になるだろう基金は一気にほぼ半減です。「100年に1度」の経済危機はまだ鳥羽口に立ったばかりかもしれないのに。施設整備基金は3分の1を繰り入れました。施設の改築などのために多額の支出を迫られるのは、むしろこれからなのに…。
 いくらかでも長い目で「入るを計る」姿勢があれば、こんな予算にはならなかったのではないか。むしろ、もっともっと歳出を厳しくチェックできたのではないか。「投資的経費」には、減らしたり先送りできるものはなかったのか。つい数年前、財政事情がいたってよかった時期に導入したあれやこれやの事業も、もっと真剣に実施・存続の是非を議論すべきだったのではないか。そう感じていただけに、区長の答弁には、驚くとともに「やっぱり」という思いもおさえられません。

 立場は違っても、区長の信念や政治姿勢を真に受けてきただけに、ちょっとついていけなくて困っています。たとえば、区長の新行政改革プランでは、こう書いてあったのです。

「経営の基本は『入るを計って、出ずるを制する』と言われます。健全な財政基盤を維持し、いっそう強固なものとするために、コストの徹底した見直しと、歳入・歳出の両面からの効果的な改革に取り組みます。」

 状況が変わった、と言われてしまうのかなぁ…。

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