SEIJI PAPER 地域版 新宿線 2019年10月発行

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SEIJI PAPER 地域版 新宿線 2019年10月発行2019-10-23T23:54:13+09:00
SEIJI PAPER 地域版 新宿線(2019年10月発行)

「まちづくり」の、夢が広がる

さえぎるものもなく、青々と広がる空。風のせせらぎが聞こえてきそうな、そんな穏やかな空気。ここに線路があったとはとても想像できない、そんな空間に立っています。

小田急線は、世田谷区内で地下に潜りました。代々木上原駅と梅が丘駅の間です。

世田谷区では、地下に移った小田急線の地上部を活用したまちづくりが進んでいます。公園、保育所、民間の商業施設や住宅…広域避難場所である羽根木公園につながる緑道もほぼ完成。地上部利用の柱となるコンセプトは「防災と緑」とのこと。なるほど、とうなります。世田谷代田駅近くにできた東京農大の「オープンカレッジ」も、とっても素敵です。高架下にはありえない、明るくおしゃれな景色が広がります。

小田急線だけではありません。横浜市の相鉄線では、「まちづくりの自由度が増す」ということを、地下化を進める大きな理由の一つとしました。そう、新宿線沿線でも、地下化はきっとまちづくりに大きな励みとなり、弾みを付けてくれるはず。金銭には代えがたい魅力です。

西武新宿線は、なぜ地下にできないのでしょう。

東京農大オープンカレッジ写真

広場の駅寄りには東京農大のオープンカレッジ

世田谷代田駅の西、地下区間の入口にできた356(みごろ)広場からの景色写真

世田谷代田駅の西、
地下区間の入口にできた356(みごろ)広場から

住民を苦しめない。それが原点

何より、「地下化」は工事で苦しむ人を大きく減らすことができます。

都の説明でも、地下方式では高架に比べて用地買収は大幅に減ります。トンネルを「複線シールド」で掘れば、線路沿いの買収はほぼなくなります。立ち退きも劇的に減らせるはずです。線路が見えなくなれば、騒音や振動からも解放されます。

たくさんの住民が、住み慣れた町、住み続けた家を追われる。「住居専用地域」なのに、住宅地とは程遠い騒音が、沿線の住民を苦しめる――「地下化」をすれば、こんな理不尽は解消されます。

線路を地下にすることで生まれる、新しいまちづくりの可能性。地下にすることで取り戻す、人間らしい生活環境。そのことの魅力や大切さを、東京都や練馬区は考えなかったのではないか。「高架」方式を選択した経過を知れば知るほど、そんな思いが募ります。

立体交差事業は、未来への投資です。目先の経費だけでは計り知れない、明日の財産が生まれてくるに違いない。私はそう思います。

地下化された鉄道の上には、緑道が続く。広域避難拠点である羽根木公園への経路にもなっている。そのような様子を示す写真

地下化された鉄道の上には、緑道が続く。
広域避難拠点である羽根木公園への経路にもなっている。

線路際まで住宅が建ち並ぶ西武新宿線。立ち退きの不安が広がる

線路際まで住宅が建ち並ぶ西武新宿線。
立ち退きの不安が広がる

「地下」はそんなに高いのか?

ブラックボックスの事業費見積もり

都が「地下」ではなく「高架」を選んだ一番の理由は、おカネの問題です。都が出した数字は、高架方式が1,710億円、地下だと2,470億円。小さな差ではありません。でも…トンネルの工法を工夫すれば、地下方式での用地買収費270億円は大幅に減らせます。また、工事費積算は、西武鉄道がずいぶん前に見積もった工事の単価をそのまま用いています。技術革新もどんどん進み、工事の規模も中身も違うのに。しかも、その額は秘密にされたまま。これで公正・透明な見積もりと言えるでしょうか。

同じ新宿線の中井-野方間では、地下と高架では経費はほぼ同額。小田急線でも、地下と高架は同額に。今や採算ベースに乗る方法として、あちこちで採用されつつあります。そして、少々高くても、地下方式には補って余りある利点があります。

もっと真剣に、もっと誠実に、そしてもっとオープンに。地下方式の可能性を検討し直すべきです。

事務所企画のイベントにお気軽にご参加ください!

小室等&李政美
平和のためのライブ2019

小室等さんイメージ写真
李政美さんイメージ写真

10月31日(木)18:30開場19:00開会
大泉学園ゆめりあホール(大泉学園駅北口すぐ)
一般 1,500円  学生1,000円
※予約受付中。お申込みは、池尻成二事務所まで