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図書館長の“虚偽答弁”? ~防犯カメラ問題~

図書館の防犯カメラに記録された個人情報が、不適切な形で警察に提供されたのではないか? こんな趣旨の質疑を先の9月議会で行ったことは、このブログでも報告をしました。

図書館の「防犯カメラ」2019.10.1

質疑は、2人の部長-総務部長と教育振興部長が答弁の前面に立つという、異例な展開になりました。そして、受託事業者(TRC=図書館流通センター)が書面において自らの非を認めているにもかかわらず、事業者には落ち度はなかったと強弁する区の答弁についても、上記の投稿で紹介したところです。
この問題は、とても根が深く広がりのあるものだと、私は感じています。質疑ののちも、真相を解明し区政の課題を明らかにするために、公文書の開示請求などの調査活動を続けています。その中で、光が丘図書館長の議会答弁に虚偽があったのではないかと強く疑わせる事実が出てきました。看過できないことであり、少し詳しく報告をしたいと思います。

情報公開請求の中で、私は「石神井図書館窓口案内業務等請負事業者(図書館流通センター)が作成した業務日報のうち、2018年4月~6月分」を求めました。議会の質疑の中で、光が丘図書館長が、防犯カメラを警察に見せたことについての記録が日報にはないと言明したことに驚き、また疑いを持ったからです。館長は、こう答弁しています。(議会事務局が作成した録音から)

池尻 この日の警察とのやり取りについて、図書館の業務日報の記載がありますか。
図書館長 この日の報告につきましては、日報ではなく、館長が直接業務連絡者から口頭で聞いております
池尻 なぜ日報に記載がないのですか。
図書館長 業務日誌と共に口頭での報告も引き継ぎの中には含まれております。口頭または文書にかかわらず引継ぎについてはしっかり行われているものでございます。
池尻 口頭で報告があったとして、いったいこれは何月何日のことですか。
図書館長 何月何日という特定はございません。日報にはありませんので、口頭で報告を受けたのが4月であります。

口頭での報告しかない。日報には記載がない。そして、そもそも何日のことだったかすらも特定できない――図書館長は、こう明言しています。この答弁通りであれば、それはそれで事務処理のあまりのルーズさに驚かざるを得ないのですが、本当に日報に記載がなかったのでしょうか。
開示請求で取り寄せた日報は、一日ごとに作成され、次の書類がセットになっています。
①業務日誌
②図書館タイムテーブル
③委託業務履行状況報告書
④業務引き継ぎ書
⑤利用統計
このうち②は業務日誌の中の「業務履行状況」の欄で、また③は「区職員引継・連絡事項」の欄で、それぞれ「別紙」として参照を求められています。そして、2018年4月29日の業務引き継ぎ書には、こんな記載があったのです。

念のため、書かれていることを文字にしておきます。

×××警察×××の×××様他1名が来館され、×××近辺でおきた×××の件で防犯カメラを見せてほしいとの事でお見せしました。画像が小さくよくわからないということで帰られましたが、もう少し犯行時刻等が絞られればまた見せてもらうかもしれませんと言ってました。
(×××は、部分非公開で墨塗りとなった部分。文字数とは無関係です)

「日報に記載がない」「日付もわからない」という図書館長の答弁は、事実ではありませんでした。図書館長が本当に日報を見ていたのか、そしてこの事実に反する答弁がどこまで意図したものであったかは今は断言できませんが、しかし、館長は断定的に事実を全く異なって描き出し、少なくとも結果的には虚偽にわたる答弁をしたのです。虚偽答弁は、議会に対する背信行為です。実は、委員会での質疑に先立つやり取りの中でも、図書館長は資料の有無も含め説明を二転三転させてきました。その挙句がこの答弁だとすれば、責任は重いと言わざるをえません。

それにしても、この日報の記載を読めば、警察官は具体的に画像の内容を確認しようとしています。先の議会答弁では、区は、警察官の来訪は「防犯カメラの位置や映り方などを確認するため」だった(光が丘図書館長)、「カメラの位置やどこを映しているかを確認してもらう」だけだった(教育振興部長)、だから条例等が定める個人情報の外部提供の手続きは不要だったと主張しました。文字の記録もなく日付すらわからないと言う一方で、どうしてこんなに確信的に、かつ詳細に事態を説明できるのか、なんとも不思議なことですが、しかし、この日報の記載を読めばこうした答弁はまさに強弁であると感じざるをえません。
警察官は、具体的な事案に関連した特定の個人の情報を確認すべく来訪し、カメラを見ようとした。結果的に求められた情報が取れなかったとしても、経過からして外部提供を目的としたものであり、だから手続き的に問題があった――そう考えた当時の石神井図書館長と、その指導を受け止めて反省と謝罪を行った事業者の対応は部長たちの強弁よりもはるかに自然で誠実なものであったと、私には思えます。

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