図書館の「防犯カメラ」

練馬区の図書館にも、防犯カメラが設置されています。その防犯カメラの映像を、図書館のカウンター業務の委託業者が警察に見せた。しかも、区の職員でもある館長に相談も了解を得ることもなく、見せた。これは、まずいのではないか?

27日の区議会決算特別委員会で、私はこの問題を取りあげました。図書館は、区立石神井図書館。委託業者は図書館流通センター(TRC)。時期は2018年4月。そもそもは、図書館が作成した「委託状況確認シート」の記載から明るみに出た問題でした。シートにはこんな記載があります。

「防犯カメラに関して、警察から映像確認の協力を求められた際には、個人情報保護にも関わる重要事項ですので、事前に、設置管理者である館長…に報告したうえで、必ず許可を得るようにしてください。」(区記入欄)
「映像確認の協力依頼の対応につきましては、判断を誤りまして誠に申し訳ございません。再発防止の為、責任者に対して『図書館の自由に関する宣言』及び『練馬区個人情報保護条例』についての基本的な考え方について、再度指導・教育いたしました。」(委託業者記入欄)

このシートは、「委託業務連絡調整会議」という実務的な会議のために作成されたもののようですが、最終的には光が丘図書館長(課長級)も出席する会議で共有されています。その文書のこの記載は、単なるメモ書きや記憶間違いではありえません。そして、ここに書かれていることは大変重大な問題をはらんでいます。何より練馬区の個人情報保護条例は、区が管理する個人情報の「外部提供」つまり区以外の者への提供に厳しい制限を課し、警察からの照会に対しても、令状に基づいていない場合は事件が特定され必要やむを得ないと判断されるなど4つの条件を満たし、かつ、照会・回答が文書によって行われる場合に限り外部提供を認めることとしています。

→練馬区『個人情報保護制度運用の手引』82ページ参照

もしシートの記載通り、委託業者が①区の責任者である図書館長に相談も了解を得ることもなく、②また文書による手続きもないままに警察の「映像確認の協力依頼」に応じたとすれば、この外部提供の規定も含め、個人情報保護条例の主旨に違反していると言わざるを得ません。また、区が定めている防犯カメラの設置指針や図書館の運用規定にも反する行為です。

さて、区はこのシートに記載された事実とその条例違反の疑いについて、私の質疑にどう答えたか? いつもならめったに答弁に立たない部長が二人、答弁の前面に立つなどなんとも異様な質疑になりましたが、区は、映像を見せた事実経緯を徹底して軽く描き出し、条例違反を明確に否定し、さらにはシートの記載自体を「誤り」とまで断じました。図書館における個人情報保護への鈍感さ、モニターを見せることが「画像の提供」ではないという強弁、そして、業者が「対応を誤った」と謝罪しているのに、いや間違っていないと徹底して業者を擁護する…日報にも記載していない、4月の何日のことかも特定できない。それほどにずさんな記録管理をしていながら、なぜこんなに断定的にこたえられるのかと、不思議ですらあります。
答弁の主なものを紹介します。いずれも録音から起こしたものです。私は、納得していません。


池尻 シートに書かれた内容の事実経過を。
光が丘図書館長
シートの内容でございますが、今回の件は、警察が図書館の外で、近くで発生した事件の犯罪の捜査の参考とするために、図書館の外向けの防犯カメラの位置や映り方などを確認するために図書館に立ち寄ったものであると伺っております。対応内容は、カメラの設置位置を教え、モニターで写っている角度や場所を確認してもらっただけでございます。画像の内容を確認したものではございません。このシートの内容につきましては、業者の対応に誤りがあったこととして注意をしているのではないかというご指摘でございますが、このシートの内容は、この機会に防犯カメラに関する取扱について再確認をするために、光が丘図書館長が記載したものでございます。

防犯カメラの設置目的は犯罪の抑止、犯罪の早期解決にあります。犯罪の抑止等に向けては、区は警察と協力連携して様々な取り組みを済めているところでございます。この件は、警察が犯罪捜査の参考とするために防犯カメラの位置や映り方などを確認するために図書館に立ち寄ったものです。カメラの設置位置を教え、モニターで写っている角度や場所を確認してもらっただけでございます。画像の内容を確認したものではございません。この対応は、区の警察に対する協力の一般的な範囲であると考えます。

池尻 設置指針や運用規定に照らして問題はないのか。
教育振興部長
今回、モニターは警察の方にご覧いただいたところでございます。当然ながら、一般の人が見るようなことについては禁止をしてございます。これについては、当然、許可が必要になるということですが、警察官は、捜査への協力の点からカメラの位置やどこを映しているかを確認してもらうということは、これは区の一般的な協力の範囲であると考えてございます。それが、録画内容の提供にまで及ぶとすれば、当然ながら文書で依頼をしてらうということで、今回の業者の対応は間違っていないと考えております。

池尻 「判断を誤った」という記載はどう理解すればいいのか。
教育振興部長 区の一般的な協力の範囲でございますので、業者が「誤った」と書いていることについては、そういったものではないと考えているということでございます。

池尻 外部提供を制限する個人情報保護条例との関係は。
総務部長 
私どもといたしましては、防犯カメラがその時点に映している撮影の範囲、単なる画像の確認でありまして、外部提供に当たらないと考えているところでございます。

|2019-10-01T18:26:43+09:002019年10月1日|コメントはありません

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