やっぱり道路で分断するのか? ~大泉第二中学校~

大泉第二中学校の敷地を東西南北に分断する2つの都市計画道路、135号線と232号線。この二本の道路を整備しようと、区がまた動き出しました。道路と学校の教育環境をどのように両立させるか、そんなテーマで議論を重ねてきた<練馬区立大泉第二中学校の教育環境保全および都市計画道路の整備に関する有識者委員会>が、5月、『提言』を取りまとめたのです。
→『提言』はこちらから

大二中の道路問題は、もう15年にわたって混迷・混乱と言ってよい事態が続いてきました。区は、大きくは2度、道路と学校を「両立」させるという案を提示しましたが、いずれもとん挫。学校関係者や地域の皆さんから、学校の教育環境が守れないという強い異論が繰り返し出されてきたからです。前川区政になって、その前に区が出した「素案」を撤回、新たな方針を検討する場を作るということで発足したのが、この有識者委員会です。もう3年以上前のことになります。
有識者委員会は、道路の必要性を早々に確認し、そのうえで学校の再建策を検討するという文字通り“道路ありき”の立場で議論を重ねてきました。そして、最終的に『提言』では大きく3つの方法を示したうえで、「現敷地を活用した校地の再形成案」を「総合的に妥当な案」と評価したものになっています。

詳しくはまた改めて検証することとして、まずこの「再形成案」がどのようなものか、『提言』が示したイメージ図で確認をしてみてください。

青い部分が学校施設です。左下の建物は学校施設ではなく、「学校と連携可能な公共施設」とされています。道路は地表に走り、校舎と東の校庭側は道路上に渡された通路でつながる形です。
北西の土地(今はマンションがあります)を買い足す一方で東西に走る232号線の南側の土地を敷地から外しているので、南北の分断は避けられますが、南北に走る135号線が校庭を東西に真っ二つに分断します。

6月の区議会都市整備委員会で、この『提言』についての報告がありました。その際の私の質疑を紹介します。大切な論点を拾ったつもりですので、ご覧ください。
※録音から起こしたもので正式な議事録ではありません。


池尻委員:28年の3月に設置されて丸三年ということで、大二中の道路問題というのはたぶんもう14~15年前から話がずっと地域では出たり戻ったりしてきたことだと思うんですが、とても大きな節目になる提言だと思います。
そういう意味ではしっかりと区の考え方をお聞かせいただきたいんですが、今回区長が所信で、改めてこの問題をお触れになってまして、現場を見て、当時区が進めていた中学校整備計画素案では、大泉第二中学校の教育環境に大きな影響をもたらすと判断したと、こうおっしゃってるんですけれども、区長がおっしゃっている、教育環境への大きな影響とはどんなことを念頭に置いていたものか整理して聞かせてくれますか?
計画課長:平成25年に整備素案をお出しして、その時は喫緊の課題に対応するために、南北道路である135号線を優先的に整備する事を前提とした案として、お示しをしたものでございます。その際の整備素案につきましては、232号線の整備を将来の課題として整理をしてきましたけれども、道路ネットワークの状況ですとか、構築ですとか、あるいは将来232号線を整備する際に、中学校の更なる再建が必要であると。そういうことで、将来の中学校で多大な影響があるとという判断をして、見直しを行ったものでございます。

新たな都市計画道路の必要性は検証されたのか?

池尻委員:ということは、いずれ232を通した場合には、大きな影響が出るということで、そういう意味だということですかね?新たな道路の必要性は検証れたのか?
私はそれは何をおっしゃっているのかな?とよくわからないんですが、それはそういうことで話を進めますけれども、今回素案を拝見してて、3年間ずっと議論を重ねてこられた割には、とてもあっさりした提言だなと、まずは印象です。
特に道路の必要性についての記述は非常にシンプルというか、あっさりしていて、なかなかわかりにくいんですが、確認ですけれども、渋滞があると書いてあるんだけど、まず、学芸大通りと、ロード冨士見の交通量を直近いくつだったかを教えていただきたい。これが一点目。もう一つは、地区内の生活道路に流入していると書いてある、この地区内の生活道路というのは、具体的にどの道路のことを言ってて、流入状況について具体的な検証をされているのか、これも教えてください。
計画課長:まず、二点目のことからですけれども、地区内への流入ですけれども、大泉南地区を全体的に考えたとき、今生活幹線道路と指定してある学芸大通りですとか、ロード冨士見についても、生活道路ということで、そこに通過交通が流入しているというのが記載されております。直近の交通量ですけれども、さっきの質問にも絡むんで、今さがしますので、個別ですみません。
池尻委員:じゃあそれは後でお願いします。地区内の生活道路というのは、ロード冨士見や学芸大通りのことなんだということだとして、そもそも学芸大通りやロード冨士見を通ってる車が、通過車両なのかどうなのかっていうことについて、実態を把握なさったんですか。
3年間有識者会議があったんだから、こうやってとても大事な道路計画上の評価をなさっているわけだから、二つの生活幹線道路、生活道路とも言えますが幹線道路でもある。この二つの道路について、通過車両が流入していると一般的に書いていらっしゃるけれども、じゃあ、どれくらい通過車両があるのか、どこからどこへの通過車両なのかというのは調査をなさった事実はありますか。
計画課長:都市計画道路の現状のところでお示ししてますけれども、基本的には通過交通、いわゆるこの地区に関係のない車両につきましては、都市計画道路の方でですね、通過するというのが前提の条件となりまして、現在その都市計画道路が整備されていないということで、やむを得ず、生活道路である学芸大通り等を通過交通が通過しているという現状から、今回課題としているところでございます。
池尻委員:考え方は何度も聞かされているからわかっているけど、実際に、学芸大通りやロード冨士見を通っている車が、通過車両なのか、地区内に出入りする車両なのかという実際的な検証を3年間の中でなさったんですかって聞いてるんです。
計画課長:現状の交通量等の評価から検討したものでございます。
池尻委員:交通量はMAXの総体の交通量でしょ?通過車両であるかどうかって話は全然違う話だから、そういうことをきちっと検証なさってこういう表記になっているんですか?って聞いてるんです。これは単純な話。調査やってるかどうかってことなんで、答えてください。
計画課長:まず最初に申し上げた通り、そうすると例えば、パーソントリップとかそういう調査だとかを行っているわけではございませんけれども、基本的には、地区内を通る通過交通については、都市計画道路の整備が必要だという前提のもとに検討されているものでございます。
池尻委員:わかりました。そうするとね、結論は書いてあるけれど、申し訳ないけれど、結論ありきなんだなとしか思えない。今課長がおっしゃったことは端からずっとおっしゃっていることで、3年間かけて裏付ける資料をきちっと検証して調査するとか、そのための有識者委員会でしょうと私は思います。この件はもうこれで結構です。
計画課長:まず、有識者委員会については、約3年間19回にわたって議論をしていただいてるものでございます。その中で、現地視察を行うなど、現状を踏まえながら、専門的な見地から精力的な議論を行っていただいたという風に私どもは認識しているものでございます。今回とりまとめた提言につきましても、教育環境の保全と道路整備の両立というような方策を出されているものという風に認識しているものでございまして、有識者委員会の皆様には議論について、非常に感謝しているものでございます。

「校地再形成」案についての区の評価は?

池尻委員:有識者委員会が一生懸命やっているということは一般的に私は否定していないです。校地再形成案について、今回提言では、「本案が総合的に妥当な案」と結論付けているんですけれども、これから区の取り組み方針案を秋までに作ると。秋までということはもう7月なので、ああ、そういうスケジュールどりなんだと今聞いてて、はあと思ったんですけれども、区の基本的な立場として、この校地再形成案が総合的に見て妥当で実現性が高いという認識について、区も同様な認識でいらっしゃるのかどうか。基本的なところをお聞かせください。
計画課長:今回提言が出されたということで、これから区としては取り組み方針を定めていくというものでございます。案の評価についてもその中でやっていくものでございますけれども先程も申しましたように、今回の提言については、教育環境の保全と、道路整備を両立させる方策が示されたものと認識しているものでございます。
池尻委員:三つ案が出てるんでね、それぞれ教育環境との関係でも評価のレベルが違うじゃないですか。提言をトータルで見れば、示されたという認識もわからんでもないですがそれはたぶん校地再形成案のことだろうと理解するんですが、そういうところでこれから取り組み方針案を考えていくということは今おっしゃらないんですね。
計画課長:区の取組のことというか、区がどう考えているかというご質問だと思いますので、それは先程来申し上げているとおり、取組み方針案を今検討しておりますから…
池尻委員:それでわかりました。再形成案について大事なところ2,3だけ確認させてください。1つは、今回再形成案だと、左側の上に土地を増やさなければいけないと。ま、右の下側にも土地を増やすんですけれども、この新しく土地を増やすという所の土地の権利者の方たちには、この今回の再形成案では、お宅の土地が入っていますよと、ご了解なりをいただいているんでしょうか。
計画課長:これらの方々については、何か了解とか承諾をいただいて検討しているものでございません。ただし、提言が出た後に、区からこの提言の内容についてはできる限りおしらせしたところでございます。

「第一種住居地域」に用途地域を変更?

池尻委員:次のところでは、すごく気になる表現のところがありまして、10ページの校地再形成案のところの教育環境保全の2行目なんですけれども、「都市計画道路の整備に伴う用途地域変更を前提とすることで、望ましい教育施設機能の確保が可能である」と、こう書いてある。二つ大きな論点があると思うんですが、用途地域変更というのは、具体的にどの程度の変更を念頭に置いた記述なのかということが1点目。もう1点目は用途地域変更がなければ、教育施設機能の確保は難しいとも読めるんだけれども、そういう理解でいいのかどうか。二つ教えてください。
計画課長:用途の関係ですけれども、今、大泉第二中学校の周辺の現状用途というのは、第一種低層住居専用地域、北側のところは第一種中高層住居専用地域となっています。このアの案につきましては現状の用途地域で適合できる案になっておりますけれども、イやウの案につきましては、現在検討が必要と議論されているここでも示されている、地区のまちづくりの中で沿道の用途地域の変更を想定した案という風になっております。想定については第一種住居地域というものを想定しているものでございます。これは、この用途変更を前提とした案という風に示されたものでございます。

騒音などの環境悪化は検討されていない!?

池尻委員:ということは具体的には住居地域に変更するということを念頭において書かれているということですね。第一種住居地域をね。そう変更したら、こういう形で確保が可能になるという整理をされていると、今ご答弁と理解して、最後、もう一点、騒音のことが書いてあるんですけれども、これは最終回の議論を踏まえて案につけ加えられたようなんですけれども、道路が学校の中にできて、その前回の素案というのはふたがかかっていたんですよね、道路にはね、135だけだったんだけれど、ふたがかかっていたと。今回はふたがかからないで、露地というか、オープンな道路が学校の中にできるわけですけれども、当然それによる影響というのは考えられると思うんですね、一番は騒音だけれども、もちろん排気ガスとか、そういうこともあるでしょうと。教育環境の保全を考える際には、騒音や排気ガスは道路の供用による環境影響を適切に評価をして議論することが大前提だろうと思うんです。
確認をしたいのは、想定される騒音とそれに対する必要な対策等について、実証的な具体的な検討がなされたのかどうか。この点を確認させて下さい。
計画課長:この三つの案全てにおいて幹線道路に面しているというような案になりますから、このような記述がなされているわけでございます。具体的な騒音の、例えば大きさだのなんだのと言うまでの検討をしたということではございませんけれども、これまでの懸念の中で、そういったものについては、しっかり対応すべきだということになりますので、実際にそういう風にやるときにはですね、具体的な内容については、再建の際の設計段階等でしっかり検討していくことになるかと思います。
池尻委員:聞いてて、やっぱり、すごく最初「さらっと」言いましたけれど、本来、大二中の教育環境をいかに保全できるかと、道路を造った上で、それが大きな課題だったわけですよね、施設面積や施設機能については、いろいろ詳細な議論をなさっているというのはよくわかりましたけれども、例えば、道路が直接もたらす環境影響である騒音とか、そういうものについて、実証的に分析なさったり、検証なさった様でもないようです。それからさっきお話ししたように、道路の必要性についても交通量の関係も含めて、分析を深められたとはなかなか思えない。そういう中で出てきた提言というのは、私、正直残念です。ぜひ、これから区が取り組み方針案をお考えになるんであれば、十分説明責任を果たせるような材料を用意をしていただいて、地域に入っていただきたい。それがないと地域の合意は私はできないと思います。その点のお考えをお聞きして終わります。
計画課長:残念だというお話頂きましたけれども、私どもはこの検討に際しては、ただ、ディテールとか施設の内容だけを検討していただいたものではなくて、生徒さんの学校の生活や地域の方々の影響などもしっかり踏まえたうえで、検討なされたという風に認識しているところでございます。

|2019-07-07T21:19:16+09:002019年7月7日|コメントはありません

コメントする