西武新宿線の立体交差化はこれから動き出すところですが、池袋線の方は、先だって桜台~大泉学園間の立体交差化が完了しています。「高架」になったとき、まちはどんな姿になるか。具体的にイメージする一つのヒントとして、池袋線沿線の高架の様子を紹介します。
最初は東大泉5丁目付近。「高架」にした場合、北側は基本的に関連側道を整備することになっていますが、南側は側道はありません。もともと線路敷地際に立っていた住宅等はそのままに「高架」の構造物と接することになります。こんな感じです。
もう一か所、石神井町7丁目です。マンション3階の共用廊下の目の前に「高架」線が来ています。離隔は50センチもないほどです。さすがに防音壁が造られていますが、圧迫感も含め、大変です。
次は、線路の北側です。場所は富士見台。日照が奪われてしまう線路の北側は、管理の必要もあり「側道」を整備することになっています。側道ができれば線路に沿った東西方向の往来は便利になりますが、しかし、この管理用通路はほとんど日が当たらず、冬は残り雪がなかなか解けないで凍結するといった苦情はしばしば聞かれます。
「高架」方式は、いろんな意味で簡便な手法と言えなくもありません。しかし、簡便さはたくさんの住民の立ち退きや残る住民の住環境の悪化、景観の貧しさ、鉄道敷地の活用の難しさなどと裏腹のものです。
新宿線はどうするのか。「高架」か「地下」か。多角的・複眼的な検討をしたい。ここでいくらかの手間を惜しんであとあと悔いを残すことは避けたい。そう思います。
コメント