お粗末な図書館指定管理

私が所属する委員会で審査しなかった議案もたくさんありますが、そのなかで、とくに引っかかっているのは3つ
①地域包括支援センターの主任ケアマネジャーを「非常勤」とする議案
②「民営化」を前提にした、区立特別養護老人ホームなどの指定管理議案
そして、
③南田中図書館の指定管理者を「(株)図書館流通センター」とする議案

です。
議案を検討する場として、委員会とは別に「全員協議会(全協)」というものがあります。非公式の“勉強会”という位置づけですが、全議員が参加し、理事者(区の管理職)も区長以下、出席します。この全員協議会で、上の3つの議案について突っ込んだ質疑をさせてもらいました。そしてあらためて、それぞれの議案が抱える問題の大きさを確認しました。
たとえば、③南田中図書館の指定管理者選定の議案です。
図書館の質を決めるのは、やはり「人」です。本を選ぶのも、企画を組むのも、利用者の声を受け止めるのも、「人」です。そして、図書館を担う「人」の中心は、言うまでもなく館長です。どんな館長が、この南田中図書館を管理するのか。
指定管理者を募集・選定するにあたって、教育委員会が示した図書館長の要件は次のようなものでした。

指定管理者は、次の要件を満たす者を常勤の館長として配置すること。
ア 2年以上の図書館勤務経験を有すること。
イ 図書館経営についてのビジョンを持ち、人格的に優れ、リーダーシップを有すること。
ウ 図書館法第4条に規定する司書資格を有すること。
エ 学校支援、環境、情報通信技術(ICT)の活用等に対して十分な力量および見識を有すること。

図書館長としての経験を求めるのならまだしも、2年以上の一般的な勤務経験は、ごくごくありふれた条件です。司書資格も、そうです。とすれば、図書館長の資質を決めるのは、「ビジョン」「人格」や「リーダーシップ」、あるいは「十分な力量および見識」でしょう。そしてこれらは、当然ながら、館長となるべき人を直接、ヒアリングしたり調査しなければ決してわからないことです。ところが…ところが、です。驚くなかれ、誰が(どんな人が)館長になるのか、教育委員会は確かめもしないで業者を選んだというのです。もちろん、そもそも候補が決まっていないのですから、面接なんかできようもありません。もしかしたら、事業者はこれから新たに館長候補者を探すのかもしれません…
ということは、議会はどうすればよいのでしょう? 実際にどんな人が館長になるのかさえ確かめられていないのに、この選定結果を承認してよいはずはありません。それは、「ビジョン」や「リーダーシップ」等々を、事業者に白紙委任するにひとしい行為です。大切な区立図書館の管理運営を、こんなに安易に、無責任に取り扱うことは断じて認められません。

全協でも思わず言ってしまいましたが、「保育園の委託のほうがよほどマシ」です。なぜなら、保育園の場合は、どういう人が園長になるかが保育のありようを大きく左右することを十分に自覚して、園長候補者のヒアリングを大いに重視し、園長候補者が期待にこたえられないと判断すれば選定を断念することさえしてきたのです。
何度言われても、教育委員会はちっとも学ばない。図書館の鍵を握るのは「人」だ、人を育てることも確保することも大変なことだ、だから指定管理についても慎重にやるべきだとまで国も国会も言い、区議会でも繰り返し指摘されても、何も学ぼうとしない。結局、教育委員会は、図書館とは何か、図書館を管理するとはどういうことか、そもそも分かっていなかったのだとしか思えないお粗末さです。
南田中図書館の指定管理者選定については、法人の評価そのものにまつわる大きな課題も指摘させてもらいました。指定管理への移行、そして指定管理者の選定というプロセスの中であらわになった、区教育委員会の図書館行政のあまりの貧相さにはほとほと呆れます。所管の職員の皆さん、もう少し志と誇りを持って仕事をしてくれませんか? これ以上、区民をがっかりさせないで下さいな。

|2018-11-08T13:33:46+00:002008年12月7日|コメント(0)

コメントする

CAPTCHA