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進んでる? 遅れてる?  ~練馬の図書館~

あっという間に8月も残りわずか。9月7日からの区議会第三回定例会がすぐそこに迫り、議会は連日、陳情や相談の方々でにぎわっています。

久しぶりのブログ更新です。
練馬の図書館、といえば、なかなかの歴史があります。図書館を作ろうという市民運動の歴史、図書館のあり方を巡る図書館関係者の努力、図書館専門員という独特な専門職配置の仕組み、等々。そんな中でも、そもそも練馬の図書館事業の客観的な状況を振り返ることはあまりありませんでした。そんな問題意識もあって、図書館に関わる基本的な統計資料をあたってみたのですが、う~ん、数字だけ見ると練馬は進んでいるとはちょっと言えない。いや、遅れていると言わざる得ない。そんな印象を今、強く抱いています。

23区内での比較です。まずは図書館の数。練馬区には12の図書館と一つの分館があります。練馬には「中央図書館」として明確に位置づけられた館はありません。人口10万人当たりの図書館の数を出したものが次のグラフです。(グラフはいずれも『特別区の統計』より作成。数字は2017年4月1日時点)

ご覧の通り、23区の平均2.62館/10万人を大きく下回り、下から3番目にいます。人口がどんどん増えていることもあるでしょうが、練馬区には、そもそも図書館が少ない。
※この部分、グラフに誤りがあり差し替えています(2018.9.3)

次は、蔵書です。図書館事業の水準を知る分かりやすい指標と言えば、図書館の数よりもむしろ蔵書の数です。こちらはこんな具合です。
こちらは、平均が3.16冊に対して練馬は2.56冊です。蔵書は、量だけではなく質からも検証すべきことですが、しかしいささか寂しい数字です。

最後が貸出数です。年間の一人あたり貸出数を並べると、こんなグラフになります。
同じようなグラフで恐縮です。貸出数は——貸出数だけは、平均8.4冊に対して9冊と、平均をわずかですが上回っています。練馬の図書館は、貸出という点からすれば、他区に負けずよく利用されているということでしょう。図書館の数も、本の数も決して多くはない。むしろ他区よりも少ない。それでも、貸出数は頑張っている。そこには、区立図書館を支えてきた練馬の歴史の底力がなお働いているのかもしれません。

図書館行政には、もっと力を入れなければならない。こうした数字を見ていて、改めて強く思いました。担い手である職員の力を高めることや、選書・レファ等の事業の質を向上させることだけでなく、基本的な図書館施設や蔵書の底上げが必要です。

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