混乱する学校図書館② ~“価格競争”の落とし穴~

2018年度の学校図書館管理員業務は、3月13日、指名競争入札が行われ、株式会社秀光が落札しました。落札額は税抜きで3,864万円。札を入れた業者は計7社。管理員の委託が始まった2006年度以来、ずっと落札してきた日建総業が7,900万円。ほぼ毎年、入札に参加してきた図書館流通センターは6,800万円。最も高い入札価格は9,000万円でした。最低入札価格と最高価格が2.3倍ほども違うというずいぶん“荒れた”入札結果となっています。

ちなみに、昨年度2017年度の入札結果はこうでした。

  • 日建総業株式会社 2,214万円
  • 株式会社ケー・デー・シー 2,296.8万円
  • 株式会社リブネット 2,651.9万円
  • 株式会社図書館流通センター(TRC) 3,402万円

入札価格の最低・最高の格差は1.6倍。今年度の入札価格のバラつきの大きさは、際立ちます。また、各業者の入札額も、今年度は昨年度に比べて大幅に高くなっています。日建総業は2,214万円→7,900万円。TRCは3,402万円→6,800万円といった具合です。その理由は大きく二つあります。一つは、配置学校数が27校から46校に増えたこと。そしてもう一つは、管理員の資格要件が格段に厳しくなったことです。

実は今年度から、区は委託の仕様書(業務の条件を定めたもの)を大きく変更しました。中でも大きいのは、管理員の資格要件です。昨年度までは、管理員の資格要件については特段の定めがありませんでした。それが、今年度はこう定められています。

「管理員は、学校教育への理解があり、図書館法第5条に規定する司書資格、図書館法第5条に規定する司書補資格及び学校図書館法第5条に規定する司書教諭のいずれかを有する者を配置すること」

資格要件なしだったものが、司書・司書補または司書教諭資格を前提とするものに変更されたのです。学校図書館の業務を支えるスタッフの専門性を高めていくことは、大切な課題です。文科省が学校司書のガイドラインなどに示している業務などを見れば、資格だけでなく経験や技術も含め、求められるものは広範・多岐にわたります。学校図書館の機能の充実を図るために、スタッフの体制を強化していく。その一つとして資格要件を定めるということであれば、それ自体は評価できることです。しかし問題は、教育委員会が、年度末ぎりぎりの競争入札で業者を決めるというこれまでと何ら変わらないやり方で良しとしてしまったことです。(続く)

|2018-04-20T11:15:21+00:002018年4月20日|コメント(3)

3 Comments

  1. があ 2018年4月20日 at 19:06 - 返信

    池尻議員さんへ
     よく調べてくださって、感謝です。入札後、運営出来ていないということで、再考は出来ませんか?子どもたちに、申し訳ない。

    • 池尻成二 2018年4月20日 at 22:54 - 返信

      コメントありがとうございます。再考させなければなりません。遅くとも5月には全校配置を責任をもって行うべきであり、そのためには、もはや委託では対応できません。教育委員会自身が人材の確保に乗り出すべきです。

  2. S.L 2018年4月23日 at 20:27 - 返信

    学校図書館管理員の仕事は、資格を持っていても経験がなければできません。
    資格を持っていなくても、5年~12年の経験者が、仕事できなくなったことは納得できません。
    学校が求めているのは、有資格者ではなく、学校の方針、図書館のことをよく分かっていて、学校、生徒、教職員と上手くコミュニケーションがとれる人ではないでしょうか。
    教育委員会には、一番大切な現場(学校)の声をちゃんと聞いていただきたいです。

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