区立デイ「廃止」を撤回せよ ~本会議での討論から~

区議会第4回定例会の最終日15日は、本会議で議案などの討論・採決が行われました。私は、2つの議案について討論に立ちました。①『指定管理者の指定について(練馬区立土支田デイサービスセンター等)』と②『一般会計補正予算』です。
このうち、区立デイサービスセンターの「廃止」方針と一体のものとして提案された①の議案に対する討論を、以下、再掲します。採決で議案に反対したのは、私以外は共産党だけでした。残念…

廃止対象の一つ、高松デイサービスセンター。高齢者住宅に併設されている

議案129号に対し、反対の立場から討論を行います。

この議案は、土支田はじめ6か所の区立デイサービスセンターの指定管理者等を定めるものですが、指定管理の期間は通常の5年ではなく、3年とされています。その理由は、区立デイサービスセンターを「原則廃止」とし、この3年の間に個々の施設の今後のあり方の方針を定めることとしているからです。

区立のデイサービスセンターを「廃止」する。区立ではなくなっても、同じ事業者のもとで事業が継続される「民営化」ではなく、事業そのものがなくなる「廃止」です。
「廃止」の対象となるのは、本議案の6か所と光が丘デイサービスセンターの計7か所。これらはすべて練馬区社会福祉事業団が運営しています。
7つのセンターの合計定員は1日当たり210人。昨年度、登録している高齢者等の数は521人。延べ利用者数は51,496人に上ります。コロナ禍の前で見ると、延べ利用者数は6万人、登録している人も600人を超えていました。そして、非正規も含め、200人の職員が働いています。
こうした数字だけからも、「廃止」方針が、デイサービス=通所介護の、ひいては要介護高齢者の在宅生活の基盤を大きく揺さぶるものであることは明らかです。

区民の大切な財産であり、介護保険が始まるずっと前から練馬の介護を支えてきた、そしてときに支援が困難な高齢者の受け皿としても大切な役割を果たしてきた区立のデイサービスセンターを、なぜ廃止するのか。

区は、「区内のデイサービスは200か所以上あり、利用者は自分に合ったところを選択できる状況にある。民間で充足しており、区立のデイはもう必要ない」と言います。
本当でしょうか。
確かに、この10年、デイサービスは急速に数を増やしてきました。しかし、増えたとはいっても、その多くは営利企業であり、支援の質も、事業の安定性も、働く人たちの立場や待遇も、たくさんの課題が指摘されてきました。通所事業の介護報酬が抑制される中で、最近は事業所の減少傾向も目立って来ています。
コロナ禍のもとでは、休止したり利用を制限する事業所が相次ぎ、行き場を失ったデイ利用者の姿を見るたび、おおやけ(公)がしっかりと責任を負う施設の大切さを多くの人が実感してきました。要介護高齢者の命を支えるかなめ、最後のよりどころとして、また介護保険サービスの向上と充実を進める先駆として、おおやけだからこそやれること、やるべきことがある――むしろ今、私たちが確認しなければならないのはこのことです。

前川区政になって、区立の福祉関係施設の管理は、「委託化・民営化」から施設・事業そのものを廃止するラディカルな方針へと大きく転換しつつあります。谷原保育園しかり、大泉学園町福祉園の廃止方針しかり。そして、今回のデイサービスセンターです。今や、本格的に進められようとしているのは、区立の福祉施設のスクラップ化です。

しかし、広く日本の現状を見れば、介護保険であれ障害者福祉であれ、あるいは子どもの福祉であれ、営利化と市場化の巨大な流れの中で、福祉現場の荒廃と崩壊が一気に進みつつあることを、私たちは日々、実感しています。市民生活を支える公共基盤が次々と削り取られ、あるいは空洞化していく中で、暮らしを支える安心や安定が深く傷つきつつあることを、私たちは見ています。
「公(おおやけ)」の再建・再生こそ時代の課題であり、公共の福祉サービスのスクラップ化は時代に逆行する愚行です。

区は3年のうちに施設ごとの方針を決定する、条件が整い次第、3年を待たずに廃止になることもあると言っています。このままでは、数年のうちに区立デイサービスセンターは相次いで姿を消していくことになります。区立デイサービスセンターが果たしてきた役割、そこに通う利用者・家族、そこで働く職員たちのことを考えれば、あまりに乱暴です。

区立デイサービスセンター「原則廃止」方針の撤回を求め、廃止に向けた指定管理議案に反対の意志を重ねて表明し、討論とします。

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