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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「3歳の壁」 ~広がり、複雑化する待機児童問題~

今年4月入園分の保育所申込状況について書いた記事に、こんなコメントをいただきました。
「上京して10年、練馬区に住んでいます。
しかし待機児童の問題を考え、結婚を機に他の区へ引っ越す事にしました。
今の20代30代はお金がないのに、産め、働け、もっと消費しろ、でも将来の年金は当てにしないで貯金しろ、と言われてとても辛いです。
税金を沢山払っているのに、恩恵がなく、ただ、搾取されている感じがします。
石神井川沿いに住んでいます。毎年桜が綺麗で、今年の桜を前に離れるのはとてもさみしいです。
私たち若い者も住みやすい待ち作りをして欲しいです。
お返事はなくて構いません。」
とてもつらいです。「子育てしやすいまち№1」になった!などと浮かれている時ではありません。
待機児童問題、この春もまた、深刻な様相を呈しつつあります。いや、新しい広がりを見せていると言えるかもしれません。その象徴が「3歳の壁」の問題です。練馬区の待機児童対策は、0~2歳に集中的に保育の受け皿を作ること、具体的には0~2歳を対象とした小規模保育事業等の重点的な整備に加え、認可保育所についても、0~5歳ではなく0~2歳のみの定員設定で整備することが目立っています。練馬区の0~2歳児シフトは、他の自治体に比べてもさらに目立って見えます。
しかし、0~2際に特化した保育事業が増えれば増えるほど、新たな問題が鋭く浮かび上がってきます。「3歳の壁」です。この問題を考える糸口として、この4月入園分の3歳児の申込状況をまとめてみました。
3歳児は、募集枠287に対して申込数は545。単純計算で、倍率は1.9倍にもなります。数字だけで見ると、0~2歳よりかえって厳しいとさえいえる数字です。この「壁」をどうやって“乗り越える”のか。区は、何をどこまで用意できているのか。実態に即して検証することが、今、大きな課題になっています。

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