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「待機児解消」に、はるか遠く ~練馬区4月の保育園等申し込み状況~

 練馬区内の保育園、小規模保育施設、家庭的保育事業の今年4月入園分の申し込み状況が公表されています。

 今後の入所調整や希望先変更の便宜のために公表されている資料で、ちょっとわかりにくいのですが、各園・施設ごとに「第1希望」とした人数を集計してあります。「第1希望」は、当然、1人1か所しか選ぶことはできません。したがって、「第1希望」人数はそのまま申し込んだ子どもの実人数ということになります。
 さて、結果です。
 衝撃的です。0歳から年長までの全体の数字で見ると、「第一希望」数、つまり申込実人数は4,305人。これに対して応募枠つまり入園可能総数は3,481人。単純に計算すれば、824人分の枠が足りないということになります。これだけでもぞっとしてくる数字ですが、しかし、問題はもっと深刻です。実は、3-5歳児では、受け入れ枠は応募数を上回っています。つまり、数だけ見ると空きがある、待機児は発生しないことになります(施設の種類や地域のミスマッチは考えないとして)。逆に、1歳2歳は枠が決定的に足りません。1歳は応募が1,736人に対して枠は1,004、732人が入れなかったことになります。2歳は754人に対して485、269人分が足りません。つまり、1歳と2歳だけで見ると732+269=1,001人が希望する園には入れなかったのです。
 地域や個々の施設によって応募の状況には偏りがあり、中には1歳や2歳でも空きが残っているところもあります。今後、希望園の変更や第2希望以下の調整で保育園に入れる子どもも出てくるでしょうが、しかし、この1,001人の子どもたちの大半は保育園等に入ることができないでしょう。あとは「認証保育所」などの認可外の保育施設を探すしかありません。
 1,000人を超す子どもたちが、少なくとも一次申し込みの段階では保育園等に入ることができなかった――本当に深刻な数字です。
 1年前はどうだったのか。2014年4月に向けての一次申し込みの状況は次の通りです。
 全年齢あわせて見ると、<第一希望数-募集枠数>はこの1年間に1,400人から824人へと目に見えて減りました。「待機児解消」がそれなりに進んだかです。しかし、実際は違います。1歳2歳に限ってみると、昨年度が985人だったのに2015年度は1,001人ですから、逆に16人増えてしまったのです。「待機児解消」ははるかに遠い。この4月には待機児ゼロにするという区の約束は、破たんしました。

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