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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「受動喫煙」対策、待ったなし

区議会に、「受動喫煙」防止対策に関する陳情が4件、出ています。私が所属する健康福祉委員会に付託されているのですが、14日の委員会で、その審査がありました。
その中で出された資料に、主要国の受動喫煙防止法の施行状況(2012年時点)についての表がありました。これです。
出典は、厚生労働省が管理するネットサイト・e-ヘルスネットのこちらです。
これを見ると、日本の「受動喫煙」対策がいかに遅れているか、一目瞭然です。日本では、受動喫煙対策それ自体を対象とした法はなく、ほとんど唯一、健康増進法の条文を頼りに進められてきました。

健康増進法 第25条  
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
しかし、読んでの通り、ここでの受動喫煙対策はあくまで努力義務であり、対象となる施設も、防止の方法も限られたものにとどまっています。これではまずかろう、とくにオリンピック等を開催するのであればなおさらだ――こんなところから国が受動喫煙防止のための法制定に動き出しました。昨年10月には厚生労働省が「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」(こちら)を公表し、開会中の通常国会で法案提出かとも言われています。
法案提出の動きを受けて、各自治体でも、条例制定の機運が広がっています。区議会への陳情は、こうした国の動きに触発されたもののようです。いずれも、条例制定による義務的な規制を巡って賛否それぞれから議会としての判断を求めるものです。
実は、練馬区は、かつて条例制定の直前にまで行ったことがあります。2009年9月の本会議で、当時の事業本部長がこんな答弁までしているのです。

◎健康福祉事業本部長
はじめに、受動喫煙防止に関する条例化についてであります。
今回提出しております歩行喫煙等の防止に関する条例が、安全で快適な歩行空間の確保を図り、暮らしやすい地域社会を目指すことを目的としているのに対しまして、区民等の健康への悪影響を未然に防止することを目的として、公共的な施設内における受動喫煙防止に関する条例について現在検討しているところであり、今後しかるべき時期に条例を提案してまいりたいと考えております。
「条例提案をしてまいりたい」。ここまで答弁したものが消えてしまったのは、異例なことです。受動喫煙防止のための条例整備に対する利害関係者の抵抗がいかに強いか、当時、議会にいてひしひしと感じたことを覚えています。
さて、それから10年近く。国が法規制に動く中で区はどうするのか。法の内容もまだ不透明であり、条例については必要性も含め検討すべきことが多々ありそうではありますが、いずれにしても、受動喫煙防止対策は待ったなし。特に、労働者の安全衛生の視点からの議論はぜひ深めたいところです。法や条例の整備も含め、しっかりと踏み込むべきところに来ています。

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