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非常勤職員の「雇い止め」 ~練馬区議会予算質疑から~

 3日、区議会予算特別委員会で質疑に立ちました。この日のテーマは「教育費」。入り口は「非常勤」職員の雇用問題でした。
 区政は今、たくさんの非常勤職員の力で支えられています。「非常勤」とはいっても、1日7時間45分月16日以上勤務する“常勤的非常勤”が今年度当初(2013.4)で413人。また、「非常勤」と言いながら実際には長期にわたって雇用の更新を続けている人も少なくありません。もっとも古い非常勤職のひとつである図書館専門員の中には、20年を超えて継続して働きつつけている方もいます。そもそもこれが「非常勤」のあり方として適切なのか。本来なら、正規職員化すべきではないのか? この問題は、去年の本会議一般質問で取り上げたのですが、今回、質疑をしたのは非常勤職員の「雇い止め」の問題です。
 区は、5年ほど前から、新たに非常勤職を設置する場合には再任期間の限度を明示してきました。だいたい4回、つまり5年を限度とするケースが多いのですが、この再任限度を迎える人が今年度末から出てきます。いわゆる「雇い止め」です。区に調査を求めたところ、今年度末で再任期間の限度を迎える非常勤職員は75人。もっとも多いのが学校生活支援員で43人です。この75人の皆さんは、どんな思いで年度末を迎えたのだろう? 議員も4年に1度は失職する非常勤ですが、しかしそれは選挙という民主主義のルールがあるから。区の仕事を支えてきたのに、一方的に期限を切られ、生活と雇用の不安に直面するとしたら、やはり理不尽な話です。そんな問題意識で、質疑をしました。
 質疑の記録を貼り付けます。「非常勤職員の生活と雇用の安定という点からも、また区にとって貴重な人材の確保という視点からも、再任の制限については慎重に運用すべき」と私が問うたのに対して、区の答弁は「それぞれの非常勤職員の知識、また、それまで培った経験などを踏まえまして、適切に対応していきたい」というものでした。抽象的な言い回しではありますが、「知識、経験を踏まえて対応」という以上、一律・機械的な雇い止めはありえません。具体的な運用がどうなるかはこれからですが、この答弁を出発点にしっかり見ていきたいと思います。

3月3日予算特別委員会質疑記録(区議会事務局作成の未定稿です)
池尻成二委員 238ページの、学校生活支援員経費などに関連して、まず、非常勤職員の雇用管理について、伺いたいと思います。
 概ね2008年度以降、新たに設置された非常勤職については、再任回数の限度が規則に明記されるようになっております。大体、通算で5期5年までというのが多いようですけれども、この3月末で再任期間が満了、いわゆる雇いどめになる非常勤職員の数は70人を超える。最も多いのが学校生活支援員で、40人以上が該当するようです。
 来年3月には、今度は主任図書館専門員、これは現在14人いらっしやるようですけれども、この方たちも雇いどめの問題に直面することになります。
 当該の非常勤の皆さんからは、雇いどめに対して、不安や失望の声が聞こえてまいります。長年、決して恵まれているとは言いがたい勤務状況のもとで、区の仕事を支えてきた皆さんでもあります。職そのものの必要性がなくなる、あるいは実態に応じて正規職員化するというのならともかく、ただ期限が来たからおしまいと言わんばかりの対応になってしまうとすれば、それは道義的にも社会的にも許されないと思います。
 そこで伺います。非常勤職員の生活と雇用の安定という点からも、また区にとって貴重な人材の確保という視点からも、再任の制限については慎重に運用すべきと考えますけれども、お考えをお聞かせください。
職員課長 非常勤全般にかかわる話でございますので、私から答弁をさせていただきます。
 非常勤職員の活用でございます。私どもの行政改革推進プランにおきまして、多様性を持った人材の確保策として、専門知識、また実務経験を持つ人的資源の効率的な活用を進め、あわせて地域雇用の促進を図る観点から、非常勤制度を活用しているというところでございます。
 また、多くの非常勤職員を任用してございまして、区行政の一翼を担っていただいていると認識もしてございます。
 こうしたことから、区といたしましては、それぞれの非常勤職員の知識、また、それまで培った経験などを踏まえまして、適切に対応していきたいという考えでございます。
池尻成二委員 今、ご答弁がありまして、それぞれの非常勤職員の知識、培った経験等を踏まえて対応していただきたいというお考えがありました。
 今後、毎年度具体的な選考、採用等の事務があるわけですけれども、具体的な選考の手続等々も含めて、ぜひ十分に配慮していただきたい。これはお願いとして申し上げて、この項は終わります。

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