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本当に「返すつもり」だったのか? ~練馬区と「50億円」~

 今日24日の区議会本会議で、日本大学に「保証金」50億円などを返還するための補正予算案が上程されました。明日の予算特別委員会で議決されることになり、区は可決後すみやかに支払う方針とのことです。補正予算に計上されたのは「訴訟等関係経費」として5,590,545,000円。内訳は「保証金返還金」が50億円、「遅延損害金等」が5億9千万円余で、財源は全額、財政調整基金からの繰り入れです。
 結局、こうなってしまいました。つまり、区民の税金で50億円を返すことになりました。いや、それどころか、裁判にまで持ち込んで支払いの要否を争ったために、6億円近い余計な負担を区民に求めることになってしまいました。

 「総額97億円の光が丘総合病院の負債処理については、医師会が30億円を負担し、区が病院財産の取得など67億円を負担しますが、区の負担分のうち50億円は日本大学からの保証金を充てますので、区の実質的な負担額は17億円となります。…債務処理のために区が実質的に負担する17億円については、区民の皆さんのための病院を守るうえから、やむを得ない措置であり、区民の皆さんのご理解をお願いします。」

 これは、1991年(平成3年)3月21日に発行された「ねりま区報」の記事です。「実質的な負担額は17億円」――間違いなく、区はこう言っています。大ウソでした。正確には、こう言うべきでした。「とりあえずの区の負担は17億円に抑えましたが、最終的には(保証金をいずれ返さなければならないので)67億円にのぼります」と。
 この区報の記事は、当時の雰囲気をよく表しています。区は、保証金50億円を医師会の債務返済に充てただけでなく、この50億円を返すべきものとは認識していなかった、いや認識していたかもしれないけれど、区民にはあたかも返す必要がないものであるかのように説明していたということです。
 1991年3月、当時の区民は当時の区長の「実質負担は17億」という甘言、虚言にからめとられ、それが直後の区長選の流れを決めました。そして、今の区民は、全くあずかり知らない23年前のいい加減なお金の処理のツケを、今まさに支払わされようとしています。しかも、6億円もの多額の“おまけ”付きで。これだけのことをやっておきながら、かつてと今の理事者の誰一人として責任を取らずに済むとは、いったいどういうことでしょう??
 22日の区議会医療高齢者等特別委員会で、地域医療担当部長は「(50億円は)30年たったらお返しするつもりだった」と発言しました。本当に「返すつもり」がもともとあったのなら、「区民負担は実質的に17億」などとは誰も言えなかったでしょう。

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