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新年

 暦を1枚めくることに大きな意味を込める。同じように暮れ、同じように明けていく昨日と今日の間に、特別な節目を置く。そうやって、だらだらと続く日常、変化という変化も自覚できないような毎日の積み重ねの中に隠れていた飛躍を知り、越し方を確認し行く末を占う…儀式化され慣習化された「正月」の中にそんな人間の知恵を探り、結局、考えています。去年はどんな一年だったか、今年はどんな一年になるのか、するのか。
 
 昨年は、5月に父を亡くしました。若いころに輸血で感染した肝炎がもうずいぶん以前から肝硬変、さらにはがんへと進行し、すでに体力的に手術は難しいという状況になっていました。高齢者にとってはがんもある意味では慢性病、少しずつ衰えていく中で本人も周囲もそれなりの覚悟はできていたはずでしたが、それでも、薬の誤嚥から肺炎を起こしての最期はやはり唐突なことでした。
 1924年生まれ、なかなかきびしく誇り高い父で、勝手に大学を辞めた私のことはたぶん最後まで本当には許してはいなかったでしょう。外科医として、また気骨ある大正の人としての厳格な生き様を子に見せてきたその父が、文学を愛しロマンを語り社会と共鳴する感性の持ち主でもあったことを知るのは、もう私が40を過ぎた頃だったでしょうか。父の跡を追って医師になることをあえて拒み、不安定な生活をみずから選び、政治の道に踏み込んできた私が、いくらかでも素直に親近感を持って父を見るようになったのは、その頃からです。
 父を送り、あらためて自分が社会と次代に強い責任を負うべき世代となったことを実感します。2期8年の議員活動を通して、地域に広がるいのちと暮らしの不安をひしひしと知らされます。とりわけ若い世代の前に立ちはだかる閉塞状況は辛く、あまりに腹立たしいものです。そしてここ1,2年、偏狭なナショナリズムに掉さされて広がる“力”への過信と期待は、私たちに深い怖れを抱かせます。
 議員として、私が果たすべき責任は明確です。何としてもこの責任を引き受け、時代に希望をつなぎ、政治の、まずは何より区政の転換を勝ち取る1年とすることが、今年の私の宿題です。
 2011年、よい年に!

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