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憲法は守られているか? ―練馬区「地域集会施設」の団体登録要件―

 練馬区にも、一般の区民が利用できる集会施設が様々に設置されています。その中で「地域住民の相互交流および自主的活動の推進を図る」ための施設(「地域集会施設」)として位置づけられているのが地区区民館と地域集会所です。この二つは、歴史的な成り立ちも性格も決して同じではなかったのですが、施設の再編成の議論の中で一つの類型に整理されました(ただし、条例上は別々になったまま)。
 この二つの施設を利用する際の仕組みとして、区は団体登録制度を定めています。登録していなくても利用は可能ですが、登録団体は1か月早く予約ができるなどの優遇を受けられることになっています。この団体登録要件、驚くべき中身になっています。地域集会施設団体登録要綱からの引用です。

(登録団体の要件)
第2条 登録団体として登録を受けることができる団体は、つぎに掲げる要件をすべて備える団体とする。
⑴ 団体の構成員が5名以上であること。
⑵ 構成員の5割以上が区内在住、在勤、または在学者であること。
⑶ 団体の代表者が区内在住、在勤、または在学者であること。
⑷ 団体の代表者が成人であること。
⑸ 自主的・継続的活動であること。
⑹ 営利を目的とする事業またはそれに類する行為を行わないこと(講師が授業料・月謝を得て行う教室形式等の活動を含む)。
⑺ 政治上の主義を推進し、支持し、またはこれに反対することを主な目的としないこと。
⑻ 宗教の教義を支持し、若しくは教派、教団その他の宗教団体を支援し、またはこれに反対することを主な目的としないこと。

 いろいろ気になるところはありますが、なんといっても問題なのは(7)と(8)です。このような規定(制限)は、2009年まではまったく存在していませんでした。こっそりと…ほんとうにこっそりと、要綱は書き換えられていたのです。
 政治的もしくは宗教的な活動を「主な目的」とした団体は、そもそも登録が認められない。なぜでしょう? なぜだめなのでしょう? 政治や宗教、とりわけ政治は地域住民の生活の一部、不可欠の一部ではないのか。地域住民が政治のために団体をつくり活動することは、健全な地域の一つのあり方ではないのか??
 細かい議論は、今日はやめておきます。区の見解をただし、そのうえで論じたいと思います。ただ一つ、この規定は憲法の保障する権利、政治活動の自由や信教の自由も含めた思想・信条の自由を侵害するものであると、私は感じています。

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