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区の認識は「問題なし」!! ~「健恋7係」のキャンペーン~

練馬区健康推進課の「健恋7係」プロジェクト。このプロジェクトとその発行物について、このブログでも取り上げました。
    ➡「健恋7係」とは、なんだったのか

その中で書いたように、所管の健康推進課長と人権男女共同参画課長を呼んで私の認識を伝え対処を求めていたのですが、今日、二人から話を聞きました。結論は、「問題なし」。フリーペーパーはもちろん、プロジェクトのコンセプトをまとめたプロフィールペーパーも、「問題なし」。ジェンダーや人権という点からも、健康・保健行政という視点からも、「問題なし」。プロフィールペーパーの画像をホームページから削除したのも、問題があると考えたからではなく、「ページの構成を見直した」だけ…。

理解できません。
“健恋”はこう書いています。
「女子は、いくつになってもキレイでありたいと願うもの。」
なぜこんなことが言えるのか? 果たしてそれは、事実なのか。男子はどうなのか。なぜ女子だけが「キレイ」でありたいと思うのか。
女性に対する一面的な見方、男中心社会の価値観ともつながるジェンダーバイアスに引きずられた見方に立たない限り、決してこうは書けないはずです。そして、練馬にも「キレイ」かどうかなどに振り回されずに生きている女性、あるいは社会が当たり前に押し付けてくる「キレイ」さとは違った、自分なりの価値観で生き抜いている女性はたくさんいます。
“健恋”はこうも書きます。
「キレイを追求していくと、そこには『健康』があります。」
そうでしょうか。「キレイ」でありたいという気持ちは、健康を望む意欲や動機の第一のものでも、主たるものでもありません。むしろ人は、病のつらさや苦しさを和らげるために、あるいは生活の奥行や幅を広げるために、健康を望み求めるものです。もっぱら「キレイ」という視点から「健康」をとらえ、“「キレイ」志向”の延長に健康志向を位置づけ引き出そうとするアプローチは、女性に対する一面的な評価・見方に立っているというだけでなく、健康推進本来の目的や意義を矮小化するものです。
さらに、「キレイ」や「健康」を「無敵」「できる化」などと称揚するに至っては、区民の健康や命を預かる所管として何をかいわんやです。人は、それぞれの生を生きています。「健康」や「キレイ」とは遠いところで、それでも日々の暮らしと格闘しながら、あるいは病と折り合い向き合いながら、あるいはまた心身の障害とともにその人らしく生きているたくさんの区民にとって、「健康は無敵」「『できる女子』はきれいで健康」などという言葉はあまりに思慮を欠き、配慮を欠いたものです。そこには、差別につながる危うさまでが、間違いなく顔を出しています。
「問題なし」という二人の課長――健康行政の管理的な立場にある課長と人権や男女共同参画の所管の課長、ともに女性である二人の課長の回答を聞いて、私は愕然としました。練馬区は“底が抜けた”ように節度や規範を失っているのではないかという、深い不安を感じています。
誤解のないように言えば、私は、自由な発想、若い感性を生かし、係の壁を越えて区民に訴えようという「健恋7係」の挑戦自体は大切にしてあげたいという思いを持ってきました。今回のことをしっかりと検証し、糧にして、前に進んでもらえればと思っていました。しかし、二人の課長の返事は最低のものでした。
「文書には問題なかったということですか?」「出したものですから」
こんなやりとりまでありました。出したものは改められない。やったことは間違っていない。そう言いたいのでしょうか。こういうのを“保身”と言うのではありませんか?
広く社会に練馬区のこの問題を伝え、考えてもらいたい。そしてやっぱり、練馬区には誠実に反省をしてもらいたい。

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