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前川区長の答弁 ~『練馬あるある』をめぐって~

練馬区が「独立70周年」を記念し、練馬区在住の絵本作家 のぶみさんと共同で制作した『I Love 練馬あるある』。今年度の広報キャンペーンとして博報堂に委託して動画版を製作、さらに産業振興公社から本としても出版されることになったもので、マスコミなどでも紹介され、区民の間でも話題になりました。
     ➡練馬区の公式Hpから、こちらで動画がご覧になれます
この『練馬あるある』、動画(絵本)の最初に出てくるのが、こんなフレーズです。
「板橋区には何となく勝てそう 港区には勝てる気がしない」
このフレーズについては、私も気になっていました。なんだか、違う。シャレたセンスに口元が緩む、「あるある」と膝を打つ、そんなフレーズじゃない…
練馬区議会、一般質問の3日目、生活者ネットのやないさんがこのフレーズについて取り上げました。
「練馬区が『勝つ』とはどういうことを指すのか。友だち同士のおしゃべりならともかく、行政が勝ち負けを笑いのネタにして区をアピールすることからは、さまざまな人が共に生きる区政を推進する姿勢は感じられません。」
やないさんはこう区長の考えをただしたのですが、区長の答弁は何とも違和感の残る、あえて言えば不快なものでした。(録音から起こしたもので、正式な議事録ではありません)

区長 お答えします。『練馬あるある』についてであります。ねりまあるあるは区民の皆様とともにしたい、わがまち練馬の愛情、愛着を斬新なアイデアで表現したものです。担当課のセンスの良さに感心しましたが、予想通り区の内外で好評いただきました。大成功だと思っております。一昨年、健恋7係のキャンペーンに際しても差別だと的外れな指摘をした方がいましたが、今回も同じであります。失礼ながら、ウイットやエスプリを全く理解をされていない古めかしい感覚には驚くばかりであります。区民の皆さまはそうではありません。ユーモアあふれる内容にほっこりして、練馬が大好きになった。区の楽しい情報を多くの人に知ってもらえて嬉しいといったご意見を多数いただいています。絵本も好評です。板橋区長からは、大変面白い企画だと思う。こうしたユーモアをもって、お互いにやり合うようにしたいと話がありました。また、新聞五大紙をはじめ、テレビやラジオでも自治体の新しい取り組みとして、好意的に紹介されました。広報の専門家からも、郷土愛をくすぐり、区民の心を一つにまとめることに、一役買っているといった評価を受けています。まさか、この練馬区議会で大真面目にこのような質問をいただくとは思ってもいなかったので、心底びっくりしています。残念であります。私からは以上であります。

『あるあるキャンペーン』の当該のフレーズについて、やないさんが指摘した疑問の声は私の元にも少なからず届いていました。もちろん、好意的に評価する声もあるでしょうし、区長のもとにそうした声がたくさん届いているのかもしれませんが、しかし区長が言うようには感じなかった人がおり、批判的な声があるのも間違いのない、大切な事実です。評価や立場が違ったとしても、乱暴に排撃したり、尊大に見下げたりしてよいことではありません。

やないさんの名誉のためにあえて付け加えておきますが、質問は、内容も口調も、とても誠実で真摯な姿勢のものでした。それに対する、区長のこの答弁。言いたいことはふつふつと出てきますが、今は、一言、情けない。

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