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入園料は最高で16万円! ~「3歳の壁」をなくすために~

練馬こども園は、前川区長が大々的にアピールしている“練馬独自”の保育事業です。ただ、その内容は、旧来からあった幼稚園の預かり保育事業を拡大したものにとどまります。

練馬こども園の認定の条件は、

①幼稚園教育時間も含めて11時間以上の預かり保育を実施すること
②保育の実施日は年末年始と日曜・祝日を除く毎日とすること。ただし、土曜日、5日間以内の夏季休暇、幼稚園の指定する休園日は保育を行わないことができる
③地域型保育事業や認証保育所に通っていた子どもの受け入れに協力すること
です。こうした条件を満たす場合は、練馬こども園として認定され、また独自の補助金を受けることができます。
あくまで幼稚園の預かり保育ですから、まずは幼稚園に入園することが大前提です。入園時の手続きも、入園後の生活も、原則として各私立幼稚園との直接の契約であり、これまでの私立幼稚園と変わりありません。
そこで、いろいろと課題が出てきます。一つは、入園料です。予算審議の中で、区内にある私立幼稚園40園の入園料を資料として求めました。驚きました。平均は約9万円、最高は何と16万円もします。最低が5万円ですから、ばらつきも大変大きい。40園全部が練馬こども園の認定を受けているわけではありませんが、少なくとも最高16万円の入園料を取っているのは練馬こども園でした。

10万円を超す入園料を取っている園は17園、ほぼ半分です。10万円、あるいは16万円という入園料を納めなければ幼稚園には入れない。そして、幼稚園に入れなければ、当然ながら、預かり保育も受けられない…入園料、これもまたなかなか大きな「3歳の壁」と言わざるを得ません。しかもこの入園料、例えば最終的に認可保育所に入れたから入園を取りやめたとしても、返金されない場合があるというのですから、驚きです。
保育時間が11時間まででしかないこと、夏季や行事日など、休園の日がいろいろとあることなど、保育の基本サービスの部分でも、練馬こども園と認可保育所などとはまちがいなく格差があります。しかも、練馬こども園は、そもそも区の調整に乗りません。入園選考のルールも基準も、各園が決めます。補助金を付けているのに、区自身も、練馬こども園の情報を公開することに決して積極的ではありません。こうしたことも含め、練馬こども園は「3歳の壁」対策としては大きな限界、課題を抱えています。
もし、幼稚園が法律に基づく正式な認定こども園になれば、原則として入園料の徴収はなくなります。他の保育施設・事業と一緒に、区が調整します。利用の判定基準も明確です。練馬こども園が認定こども園に移行できれば、「3歳の壁」を低くする大きな一助となるでしょう。予算審議の中では、市民の声ねりまとして、すみやかに認定こども園に移行するよう、幼稚園と区がしっかりと努力していくことを求めました。
※3.22 23:14 一部加筆

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