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保育所待機児解消に「万全」 ~誰が言葉に責任を取るのか~

 保育園等の問題に、もう少しこだわってみます。
 練馬区は、以前から、長期計画などで「待機児解消をめざす」とは書いてきました。しかし、それは一般的な目標あるいは決意の表明以上ではなく、“いつまでに”“どうやって”という明確で具体的な見通しはありませんでした。その練馬区が、期限を切って「待機児解消」を口にし始めたのはここ1年ほどのこと。そして、その期限が2015年4月だったのです。
 区がどんな言葉を口にしてきたか、あらためて思い起こしておきます。2014年5月20日、文教児童青少年委員会での保育課長の答弁です。


保育課長

昨年4月の待機児童数は578名でございました。これに対しまして、平成25年度は、最終的に754人の定員拡大を行ったところでございます。その結果、待機児童数は、前年度より91人減少したものの、想定しておりました300人程度とはならず、487人となりました。…

平成27年4月の待機児童ゼロについて、本年の487人の待機児童数に、本年と同じ8.69%の申込者数の伸びがあるものとして算定した場合においても、1,322人という数字になります。こうしたことから、本年の計画であります1,300人規模の定員拡大を図れば、待機児童は、来年4月にはゼロとなると見込んでいるところでございます。
保育課長
先ほど、今年度と同じような申込数の伸びがあったと見込んだ場合でも、1,322人の定員拡大で待機児童ゼロが図られるかということで報告させていただきました。この1,300人の定員拡大が決まった後に、光が丘のあかね幼稚園の跡地につきましても保育所として整備するという区の方針が決まりました。そういったことから、ここで更に約100人程度の定員がプラスできるものと考えております。1,300人でも待機児童は解消できると見込んでおりますが、更に、あかね幼稚園の跡地を活用すれば万全なものとなると考えているところでございます。

 2015年4月の待機児解消は「万全」…保育課長は、こう明言しています。それは、課長だけの言葉ではなく、区全体の認識であり説明でもありました。実際はどうか。前の記事で触れたとおりです。1歳時、2歳児だけで1,000人を超す子どもたちが第一希望の保育園には入れなかった。第二希望以下なら入れるか? 残念ながら、その可能性はごくわずかでしょう。なぜなら、ほとんどすべての園で1歳時2歳児は第一希望だけで受け入れ可能枠が埋まってしまっているからです。
 結局、認可された保育施設、つまり旧来の認可保育園や小規模保育事業、家庭的保育事業(保育ママさん)などにはいることのできない多くの子どもたちは認可外の施設、とくに認証保育所に行き場を探すしかなくなるでしょう。それにしても、限度があります。昨年は認可保育所に入れなかった子どもたちのなかで認証保育所等に入ったのは400人ちょっとでした。
 最終的に「待機児」がどのくらいになるかは、まだ断言はできません。しかし、この4月に「待機児解消は万全」と言い切った言葉の責任を、区は取らなければなりません。今からでも遅くはない。「待機児解消」が困難となったのであれば、緊急の対策を真剣に議論し検討してもらいたい。始まったばかりの区議会の、大きな仕事です。

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