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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

ふるさと文化館

 27日、石神井公園ふるさと文化館の開館式典がありました。
 とてもモダンな建物です。展示もシャレていて、練馬の文化や歴史にかかわる資料や記憶がこうして明るい光の元に置かれることは、とてもよいことです。来館者がみずから体験できるようにと、こんな配慮がされているのもうれしいですね。

 ただ、さっと一巡しただけですが、少し気になりました。展示全体を通して浮かび上がってくるはずのコンセプト、あるいは練馬の文化や“郷土史”のまとまった像がよく伝わってこないのです。多彩な、しかし一つ一つは断片的な展示の数々を通して、時代や切り口の違いを超えて通ずる一つの、あるいは複数の流れや本質をつかみ出すところから、文化や歴史を語る営みは始まると思うのですが…。
 いやいやそんなことはない、歴史や文化に関連や統一性、一貫性を見つけようとすること自体、間違っているという意見もあると思います。しかし、歴史が時代を超え変化を通して継続され更新されていく社会の営みの記録であり、文化が人間の感性的な活動を社会的に総括したものであるとしたら――私はそう考えるのですが――そこにはやはり、たんなる事実の羅列を超えたものがあるべきだとも思います。

 もっとも、こんなことを改めて知ったかぶりで言うまでもないのかもしれません。限られたスペースの中で、何をどう展示するか。きっとたくさんの方々が知恵を集め、議論を戦わせてきたのだと思います。短時間、ちょっとかすめただけの批評は失礼な話ですね。また機会を改めて、見に行こうと思います。少なくとも、何度も足を運んでみようという刺激はたくさんもらえましたから。

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