Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

なぜ繰り返したのか?  ~練馬区立学校の徴収金「着服」事件~

練馬区立中学の非常勤職員が、教材費、給食費などの徴収金を少なくとも700万円以上着服していたことが、昨日の区議会委員会で報告されました。今朝の朝刊各紙でも一斉に報じられています。
それにしても、なぜ繰り返されるのか!? という思いは痛切です。2013年8月、1000万円を超す給食費の着服事件が発覚しました。当初、教育委員会は、着服したものの名前はおろか学校名すら公表しようとしませんでしたが、私が独自に調査して大泉第四小学校であることを確認、本会議で取り上げてようやく保護者の説明会が持たれることになったという顛末まであった事件ですが、この事件は、給食費をはじめとした学校徴収金の取り扱いを全庁的に見直すきっかけとなり、その後、「準公金管理ガイドライン」が出されるなど、規定の整備も図られることになりました。
ところが、です。今回の着服は、この大四小の事件が起き、ガイドラインが作られた直後の2014年から始まっているのです。さんざん議会でもマスコミでも問題になり、とりわけ教育委員会では現場も含めて徹底した洗い直しと体制の整備が図られたはずの、その直後から着服が始まり、そしてそれが4年も続いていた(見逃されてきた)というのですから、言葉を失います。
しかも、昨日の委員会での答弁では、通帳を作ったり残高を突合するといった基本的なことを学校長は行っていなかった。さらには、行っていないにもかかわらず、教育委員会に提出するチェックシートでは「行った」とチェックされていたことが報告されています。学校長も含め、なんとずさんな、不誠実な、不当なことが繰り返されたのか。本当に深刻な事態です。
4年前の事件の時に、区議会で私が行った質疑の一部を採録しておきます(2013.10.3決算特別委員会)。この4年間、一体何をやってきたのか…虚しい思いと、強い憤りを抑えられません。

◆池尻成二委員 419ページの学校給食経費からお願いします。
大泉第四小学校で起きた給食費の着服事件については、…教育委員会として、今回の事件について、学校長の責任をどう考えていらっしゃるか、お答えください。
◎教育総務課長 このたび区立小学校におきまして、多額の給食費が職員によって着服されたといった事件が生じました。
このことにつきまして、学校の徴収金についての信頼を損ねたということで、大変遺憾に思ってございます。今後、再発防止に向けて全力で取り組みたいと考えてございます。
そのうえで、本件の校長の責任でございます。
本件につきましては、東京都教育委員会にも報告を上げているところでございます。学校において徴収している徴収金の管理につきましては、校長の責任のもとになってございます。
その管理が不十分だった点におきましては、一定の責任があると考えているところでございます。
◆池尻成二委員 9月13日に、この事件を受けて、学校徴収金事務検討委員会が行われております。
その中で、「今後の取り扱いについて」という文書が出ております。そこで、今回の事件に関する記述がいろいろとあります。その中で、学校徴収金取り扱いの手引を教育委員会で定めていらっしゃる。
その手引によれば、毎月ごとに通帳と現金出納簿の内容を確認照合することを、学校長に求めている。これは、極めて初歩的なことではあるのですけれども。
ところが、当該の学校の場合、長期にわたり、校長による照合確認行為が行われていなかったという事実の認定をなさっています。
この文書のまとめというのがあります。
まとめにはこう書いてあります。「当該職員の偽装はあったものの、複数体制によるチェック機能が働いていれば未然に防げたものであり、校長、副校長の照合、残高確認が行われていれば、着服額がこのような高額になることはなかった」。
ここでは、学校長の管理責任は明確に指摘をされておりますし、学校長が適切に管理責任を果たしていれば避けられた事件であると、はっきり書いてあるわけです。
校長の管理責任については、今回の事件では大変大きなものがあると思っておりまして、そのことを曖昧にすることは許されないと考えます。教育委員会の厳正な対応をまずはお願いしたいと申し上げておきたいと思います。
と同時に、問われるべきは学校長の責任だけなのかということについても、いろいろと考えさせられる事件であったように思います。…(以下、会計管理の職員体制に関する質疑が続きます)

コメント