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「大増税」の時代

 民主党の“分裂”騒動、その二人の主役に興味も期待もありませんが、しかし、ほとんど“挙国一致”で敷き詰められてきた大増税の道への国民の強い反発と疑念がそこに反映していることは間違いありません――たとえどんなにゆがめられた、あるいはいびつな反映であったとしても、です。その限りで、私は、この騒動を単なる“政局”、権力争いととらえることに反対です。
 いったい10兆円にものぼる大増税が、選挙の洗礼も受けることなく押し通されることなどあってよいはずがありません。前回の総選挙の際は、増税=消費税増税に対する賛否は大きく分かれ、そして少なくともマニフェスト上は消費税増税を行わないとした民主党が勝ったのです。野田首相がどんなに力を込めて、また救国者然として語ったとしても、そしてまた議会の圧倒的多数に支えられていたとしても、彼の増税路線はその権原、主権者の支持と共感に基づく正当性を欠いています。
 かつて消費税が最初に導入された時、税制改正の眼目として強調されたのは「直間比率の是正」でした。ここでは、直接税と間接税のバランスはどうあるべきかということは議論されましたし、間接税へと大きくシフトする流れ自体に強い異論が出されていましたが、少なくとも当時は、税負担そのものを何兆円という単位で重くするという話ではありませんでした。
 それが、今回は年10兆円のいわば“純粋な”増税です。世帯当たりでは年間10万円を超すと、さまざまな試算が教えています。こんな増税を、そんなに簡単に進められてはたまりません。いやいや、手続きだけでなく、そもそもこんな増税を無理なく呑み込める家計がどれほどあるでしょう。
 不思議なものです。もしこれが10兆円の所得税増税であれば、きっと世の中、ひっくり返っていたでしょう。消費税だから、つまり露骨にふところに手を突っ込まれるわけではないから、どこか他人事のような気分があるのかもしれません。しかし、増税に何の代わりもありません。最後に負担を背負うのは基本的に消費者であり、そして消費者である限り、金持ちも貧乏人も関係なく無慈悲に税金を取り立てるのが消費税です。
 消費税増税は、「大増税」の時代の象徴です。そしてそれは、決して国政のみの課題ではありません。さまざまな形で進む増税、あるいは広く公的な負担増をどうするのか、地方議員の一人としてもしっかりと向き合っていかなければならないと思っています。いくつかの切り口から、このブログでも取り上げてみます。

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