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「区民」を忘れた区政 ~「前川ビジョン」と区議会議員選挙~

新しい練馬の区長、前川さんの進める区政は、“上から目線”で“区民不在”ではないか。こんな声を聞くことかとても多くなりました。そして、練馬区政の新しいビジョンがを読んで、私もつくづくそう思います。
このビジョン、「素案」の段階で、私はそこに「自治」や「区政への参加」さらには「貧困」や「格差」といった言葉が全く出てこないことを指摘し、こう書きました。

要するに、主権者でありまちづくりの主人公であるはずの区民の姿が、そこにはない。人と人との関係、あるいは地域社会の中に現れている人のつながりの課題や目標について、『ビジョン』はまったく触れていない。まったく注意も関心も払っていないのです。

素案に一部、手を加えた確定版が公表されています。「みどりの風吹くまちビジョン」という名前が付きました。むむ、「まちづくりの主役は道路」と公言する区長の計画、名は体を表さない…と、そこはちょっと我慢して読んでみると、出てきました。「区民の参加」!


(5) ビジョンの実現のために

①区民・区議会とともに区政を拓く

一人ひとりの個性や価値観を認めあい、尊重する地域社会を基本に、区民・区議会とともに練馬の自治を発展させ、新しい成熟都市の実現をめざして未来を切り拓いていきます。区政や地域の情報を積極的にわかりやすく発信して区政への関心を高め、区政の窓を大きく開き、区民参加を進めます。区議会と連携しながら、広範な区民の力を活かし、事業者をはじめ区内の多様な活動主体と協働します。
この部分、素案ではこうなっていました。
(5) ビジョンの実現のために

①区民・区議会とともに区政を拓く

新しい成熟都市を実現するために、区政や地域の情報を積極的にわかりやすく発信し、区政への関心を高め、区政の窓を大きく開きます。区議会と連携しながら、広範な区民の力を活かし、事業者をはじめ区内の多様な活動主体と協働します。

笑ってしまいました。確かに「区民の参加」が入った。でも、入れたということは、入れ忘れていた、必要だと考えたのでしょう。入れたのはまぁ悪いことではないけれど、それにしても、「区民参加」って区民に指摘されてはじめて気が付くようなこと、入れ忘れていいような理念なのかな…?

しかも、「区民の参加」が出てくるのは抽象的な理念や姿勢を書いたこのところだけです。志村前区長がまとめた長期計画では、「参加と連携による開かれた行政を進める」ということが具体的な施策の柱の一つとしてしっかりと立てられているのです。これじゃ、とりあえず入れただけ。志村区政と比較してさえ、「区民の参加」に対する前川区政の冷淡さ、鈍感さは隠しようもありません。
前川区政は、大型道路事業のように“何と言われようがやる!”といった類いの強引さを隠そうとしない一方で、主権者であるはずの区民と誠実に、謙虚に、真摯に向き合うという姿勢がほとんど感じられません。怖い。
区民不在の区政をどうするのか。区長の暴走を許すのか。区議会議員選挙は、大きな岐路になるはずです。区民としっかりつながりながら区長をチェックしていくのは、まさに議会の責務だからです。
区議選、何としても勝ち抜かなければ。思いを新たにしています。

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