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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「人」を救え

 “イブ”だというのに、もう今年も残すところわずかとなったというのに、世の中には不安が充満しつつあります。職場を追われ、住まいを追われ、明日どころか今日にも暮らしの基盤を失うかもしれないたくさんの労働者の姿が、毎日毎日、テレビで、新聞で、報じられています。金融、自動車、建設、小売と、さまざまな業界で破綻と破産の動きが広がっています。「金融危機」などという言われ方をしますが、直接の引き金を引いたのが金融の破綻であったとしても、実際に進みつつあるのは「過剰生産恐慌」という言葉がふさわしい事態、社会経済の深刻な破綻です。
 こんな事態の中で、練馬区は、何もしなくてよいのだろうか。練馬の区議会は手をこまぬいていてもよいのだろうか…

 練馬には、大きな工場はほとんどありません。まとまってたくさんの労働者が解雇され、路頭に迷うといった事態が目の前で進んでいるわけではありません。しかし、練馬に住む70万人の区民の中には、確実に、ここに来て仕事を失い、あるいは明日には失おうとしている人たちがいるはずです。相談窓口を開く、緊急の住宅あっせんなどをくむ、越年の資金の手当を支援する…何かやるべきなのではないか。
 なかなか思い付きを超えませんが、しかし、ひとつだけはっきりしていることがあります。それは、まさにこうした時代にこそ、「何よりも、誰よりも、『人』を救え」ということです。社会のいたるところに、つい昨日のまでのバブルのような冨を享受している人たちがいます。巨大企業の中には、蓄えられ、膨れ上がった富の蓄積があります。出せるものは出す。分かつべきは分かつ。痛みに耐えられる人には耐えてもらう。富の偏在は許容されてはならず、そして救わなければならないのは、今日明日の生きる糧にすら事欠く人たちです。
 天文学的な規模の金融バブルに煽られて伸びきった生産の過剰は、容易には調整も解消もされないでしょう。ここは、腰をすえて社会のゆがみにメスをいれ再建にかかるべきときです。そして、社会の“へそ”は今も昔も「人」だと 私は思います。誰もが誠実に社会的な責務を果たし、支えあい、分かち合えば、社会は立ち直る。その道筋をつけるのは政治です。そして、国政だけでなく、区政にもやれること、やるべきことがあるのではないか。

 役所は今週で「仕事納め」です。納めてしまっていいのでしょうか…

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