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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「パート」

 実は、私は、議員になるまでまともにボーナスというものをもらったことがありませんでした。大学のときに「3分間写真」機点検のアルバイトをしたのを皮切りに、郵便局の配達、リネンの回収・配達、清掃車の運転と、ほんとうにいろんな仕事を、正社員としてではなく続けてきました。もちろん、それは、政治を志す私がみずから選んだ道、愚痴を言うようなことではありませんが、しかしいわゆる「不安定」雇用の不安定さというものは、まざまざと実感してきました。日銭で生きる生活、健康保険も雇用保険もない現実、明日あさってはともかく、来年の仕事の約束などないに等しい職場、社会の裏を覗き込むような仕事、ボーナスも退職金もなく、貯金をする余裕などない毎日…。家族が支えてくれなければ、とうてい続かなかったでしょう。そんな不安定な働き方をする、せざるを得ない人たちがどんどん、どんどん広がり、今や「パート」だけでも1200万人とか。
 先日の新聞に、労働組合の全国組織「連合」がパート対策に取り組み始めたという記事が出ていました。いまさら…と誰もが思うニュースではありますが、「パート」にしろ「アルバイト」にしろ、あるいは「非常勤」や「派遣」にしろ、いわゆる不安定雇用の急激な拡大が、日本の社会の底深いところで貧しさと不安を広げていることは間違いありません。なにしろ、正社員と比べれば、その待遇の劣悪さはあまりに露骨だからです。
 この記事によれば、04年のパート労働者の賃金は、正社員の一般労働者に比べて男性が50.6%、女性が45.2%。こんな格差は不当だよ、ほんとに。仕事の内容も、それどころか労働時間も、正社員と大差ないことだって少なくないのですから。この格差、この差別はただすべきです。そこにあぐらをかいて、「民間委託」は安上がりでいいなんて言っているお役人は、ぜひ一度、「パート」でも「派遣」でもやってみてください。1時間働いて、やっと弁当一個分に毛の生えた程度の給料を手にしたときのあのむなしさ。わかるかなぁ…

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