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「えーる」の図書室、活用を!

 男女共同参画センター「えーる」にある図書・資料室の利用の仕方が変わります。所有する図書・資料のデータが電算化され、また、貸し出しの手段もこれまでの紙形式の貸出表からカードに替わります。実は、この図書・資料室の在り方については、2年ほど前、少し突っ込んだ質疑をしました。

池尻成二委員 …男女共同参画センターのことです。一つ、あそこに図書室がありますよね。保有の書籍数は、今どのぐらいになっていますか。
人権・男女共同参画課長 およそ1万6,000点でございます。
池尻成二委員 普通の地域図書館に比べれば、もちろん少ないでしょうけれども、1万6,000点というのは、なかなかの数だろうと思うのです。
 私は何度も行ったことがありますが、なかなかテーマ性を持った蔵書を集めていらっしゃると見ています。総務部が管理する図書室ということもあるのでしょうが、一般の図書館施策なり、図書館機能との連携がほとんど行われていないと思うのです。例えば、図書の検索をインターネットでかけても、もちろん男女共同参画センターの図書の検索はできない。
 そういう意味で、せっかく区が所有をする知的な財産なので、もう少し多面的に活用できるような方策を考えてもいいのではなかろうか。
 基本的には、あそこの蔵書が機械処理できるような管理になっているかどうかもわかりませんけれども、一昔前は手書きの貸出票だったのでご意見を申し上げたことがあります。
 図書管理の効率化もありますけれども、同時に、そこの図書を広く使っていただけるような運用についても、部・課を越えて、ぜひご配慮いただきたいと感じていたのですが、お考えをお聞かせいただけますか。
人権・男女共同参画課長 一般の区立図書館につきましては、地域図書館が中心ということで、最低限、図書資料数などは5万点以上から始まっているかと思います。それに対して、男女共同参画センターは図書資料室でございまして、あくまでも男女共同参画を広めるための図書資料中心の収集の仕方ということです。そのあたり、多少性格の差であるとか、もちろん規模の差もございます。
 一般図書館、地域図書館との交流についても、もちろん光が丘図書館などとも話し合ってございますけれども、男女共同参画センターの図書資料室につきましては、例えば、図書目録がまだ十分そろっていない、あるいは電算化されていないなど、いろいろな条件整備の部分でおくれてございます。
 そのあたりで、一般図書館と交流できるような共通の素地がなかなかなくて、今いろいろ検討なりをしている段階でございます。
池尻成二委員 大変物足りないご答弁だと思います。
 実は3年ぐらい前の、前々任ぐらいの課長さんのときに電算化のお話をした記憶があるのです。非公式だったかもしれません。
 あそこはずっと手書きで、昔ながらの差し込み用のカードを使っていらっしゃったから、貸し出しカードにするとか、それから、図書目録も電算処理できませんかというお話をした記憶はあるのですが、今のお話だと、それが全く進んでいないと。
 私は、専門的な事業と連携した図書資料室であるからこそ、地域図書館からも閲覧なり、資料検索ができるようにすることが、区の図書財産を有効に活用する点で、とても大事だろうと。
 もっと言うと、男女共同参画の意識啓発のための専門的な蔵書や資料なのだから、そういうことが一般の図書館からすら利用できないとしたら、練馬区がおやりになっている男女共同参画センターの事業というのは何なのだろうとさえ、私は思ってしまいます。…
 ぜひ、男女共同参画センターの図書資料室の活用方については、もう一歩踏み込んで、積極的な検討なり努力をしていただきたいと、改めてお願いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
人権・男女共同参画課長 地域図書館との協力関係については、光が丘図書館とも話し合ってはおります。一番協力してくれそうな部分では、例えば、男女共同参画センターの図書資料室の資料そのものについて、地域図書館のホームページで本の紹介をしてもらうなど、図書の目録なりがちゃんとそろった段階でやってくれるという話はいただいてございます。…図書館と連携できる部分、協力してもらえる部分に関しては、徐々に詰めているところでございます。
池尻成二委員 せっかく、今日こうやって男女共同参画推進計画という立派な計画の案をお出しになっている一方で、ある意味では、男女共同参画を進めるための専門的な資源である図書資料室の活用策について、そういう状況でしかない、しかも、そういう状況をきちんと変えていくということすらおっしゃっていただけないというのは、大変残念です。

 こんなやり取りの後、最後に副区長が答弁を拾ってくれました。

副区長 区民が活用する資産を、所管を越えて相互に利用し合うことは、区の限られた資産を有効に使っていくうえでも、また男女共同参画を進めていくうえでも、私どもは必要だと思っております。
 現在、広い意味での図書館が、教育委員会と区長部局に分かれていることから、文化行政全体についても、これを一体的にどう提供していくかということを検討しております。そういう中で、どういう工夫ができるかを考え、相互の利用が促進できるように検討していきたいと思っています。


 この質疑をしたのが、2011年3月の企画総務委員会です。それから丸2年が過ぎ、最初に触れたように、やっと図書資料のデータベース化とカードによる貸し出しが実現することになったわけです。データベース作りは非常勤の職員がみずからおやりになったとか。大変だったかと思いますが、ぜひこれを一歩として、一般の公共図書館との情報の共有、貸出の乗り入れにまで進んで行ってもらいたいと思います。

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