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議長不信任決議、賛成少数で否決 ~練馬区議会本会議~ 

練馬区議会最終日。本会議冒頭で、議長不信任案の討論と採決がありました。不信任案は、共産党練馬区議団、生活者ネットワーク、市民の声ねりま、オンブズマン練馬、市民ふくしフォーラムの5会派・13人。内容は以下の通り。

かしわざき強議長の不信任決議 (案)
6月3日の本会議におけるうすい民男議員からの動議の取り扱いにおいて、議長は、動議の前提となる事実の確認・検証もないまま採決を強行するなど、慎重かつ公平・公正な議事運営を果たさず、その結果、議会として議員の発言権を不当に奪う議決を行うこととなった。これは、議会制民主主義の基本を踏みはずし、練馬区議会の歴史に重大な汚点を残すものであり、議長の責任は重大である。
よって、かしわざき強議長の不信任を決議する。

採決の結果、賛成少数で不信任案は否決されました。民進党は、議会運営員会で不信任案を強く非難、本会議でも反対の立場で討論を行いました。私の討論原稿を貼りつけておきます。この問題に対する総括的な発言として、お読みいただければと思います。
かしわざき強議長に対する不信任決議案に対して、賛成の立場から討論を行います。
決議案が指摘するように、3日の本会議におけるうすい議員の動議の取り扱いは、区議会のあり方を考える上で極めて重大な問題をはらむものであると言わざるを得ません。

うすい議員の発言と動議は、教育委員会にあったとされる通報の内容が客観的な事実であることを前提にしたものです。
私たち議員は、区民から様々な通報、情報提供を受ける。そこには、真実の通報もあれば、意図せざる誤解やあいまいさが含まれていることもあります。通報にていねいに向き合うことは誠実な議員活動の出発点ではありますが、同時に、通報された内容をみずからしっかりと検証し確認することがなければ、私たちの議員活動は信頼すべき、力あるものとならないことも事実です。まして、その通報を、議会の公の場で、しかも本会議の一般質問という議員にとって最も重い発言の機会に、しかもしかも、特定の政党を名指しで批判する材料として使うとすれば、よほど慎重な事実の確認は不可欠です。
議会運営委員会では、幹事長会でていねいに検証したではないかという意見が出されたようです。しかし、それは採決のあとでしかありません。しかも、幹事長会で確認されたという事実とは、「通報があった」というそのことだけです。
教育長が、公の場で言葉にしたのであるから、通報があったことは間違いのない事実でしょう。しかし、通報された内容が事実であるのかどうか、どんな事実であったのか。具体的で責任ある説明は、議会の場ではいまだになされていません。
公明党は、どこまで慎重かつていねいに事実を確認したうえで、共産党に対して「人道にもとる行為」をしたなどという、これ以上はないというほどはげしい非難を向けたのだろうか? それは、慎重さを欠いた言葉ではなかったか? 私の率直な疑問です。
しかし、ここで討論に立っているのは、公明党の発言を問題にするためではありません。問われるべきは、うすい議員の動議を取り扱った、議長のその取り扱い方です。
なぜ議長は、採決を急いだのでしょう。
当該の二つの会派を除く大半の議員は、問題となった通報があったことすら知らなかったはずです。私も、まったく知りませんでした。もちろん、その通報の内容の真偽を確認するすべも、材料も、持ちあわせていませんでした。こんな段階で、一方の発言の取り消しを求めるべきかどうか、判断できるはずがない。判断してよいはずもない。私はそう思います。
事実を精査し確認するために、休憩を取ることだってできた。しかし、議長はいきなり採決を行いました。
議員に対して、発言の取り消しを迫る。しかも、それを、議会の意思として決しようとする。大変重い行為です。それにふさわしい慎重な議事運営がなされたとは、とうてい言いがたい。
しかも、議長は、なぜ私の動議を取ってくれなかったのでしょうか。
私は議事進行の動議を求める声を発しました。何回か「議長!」「動議!」と声をあげたあと、議席番号を叫んだ。そして議長は、間違いなく、「13番」と口にしました。しかし、私の動議を取り上げてはくれませんでした。不当なことです。
肝心の事実関係をめぐって二つの会派の見解が180度異なっているにもかかわらず、事実のていねいな検証、確認、説明もないまま、議長はそのまま動議を採決に付しました。多数を背景に、強引に発言の取り消しを迫る。恐ろしいことです。これは、自由な言論と公平・公正な運営を核心とする議会としては、あるまじきことです。
議会の発言は大きな責任を伴います。誰もが、自分の発言をいつも顧みなければならない。しかし、他者の発言の自由を最大限、尊重していく姿勢は、それ以上に重要なことです。ぞんざいに、乱暴に、他者の発言を否定し、抑え、取り消させようとすることは、民主主義の基本をたがえるものと言わざるを得ません。
適正な手続きによって選出された議長に対して、私は、議会の代表として十分な敬意を払うべきと考えてきました。かしわざき議長は、長年、議会活動を共にしてきた方でもあり、公正・公平な議会運営にも意を尽くしてくださるものと期待をしてきました。今、不信任を求めて決議を出し、討論に立つことはたいへん残念ではありますが、しかし、今回の議会運営はそれほどに大きな問題をはらんだものであり、二度とこうしたことを繰り返してはならないという議会の意志を明確にするために、不信任決議に賛成することを表明し、討論とします。

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