災害廃棄物とアスベスト

 6日、23区清掃一部事務組合が「排ガス中のアスベスト検出に伴う今後の対応について」という文書をおおやけにしました災害廃棄物の処理施設での選別状況の確認を行い、さらに各清掃工場での測定を実施するというものです。「周辺環境への影響はない」という一方で、それなりに深刻な問題と受け止めていることがうかがい知れる対応です。

     ➠23区清掃一部事務組合「排ガス中のアスベスト検出に伴う今後の対応について」は、こちらから

 清掃工場の排ガス中からアスベストが検出されたことは、特に二つの大きな問題を突き付けています。ひとつは、集じん機やバグフィルターなどの排ガス処理施設の性能・効果についての疑念です。そして、もう一つはアスベスト規制法令との関係です。

 建築物の解体等に伴って出るアスベストには、大きく二種類あります。ひとつは、吹き付けアスベストやアスベスト保温材のように飛散性が高く、したがってまたとりわけ厳密な管理が求められるもの。もう一つは、アスベストを含有する成形板などの建材で、こちらは通常は非飛散性ですが、取り扱いを誤れば大量のアスベストを飛散させる可能性があるものです。この二つは、いずれも廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)においてその処理・処分等の方法が厳密に定められており、飛散性・非飛散性のいずれの場合も溶融または無害化処理あるいは直接埋立のみが認められています。建築物の解体等に伴って出た廃材を焼却処理することは、廃掃法等の法令の認める処理方法ではありません。

     ➠たとえば、廃掃法に基づいて、東京都が定めた「建築物の解体又は改修工事において発生する石綿を含有する廃棄物の適正処理に関する指導指針」(こちら)を参照

 今回、世田谷工場や光が丘工場で出たアスベストがそもそも何に含まれていたものかは今のところ特定されていないようでが、いずれにしても一般にアスベストの大半が建材として使用されていることを考えれば、建築廃材由来である可能性はきわめて高いでしょう。そして、もしアスベストを付着もしくは含有する建築廃材等が清掃工場で焼却されてしまったとすれば、それは廃掃法が適切に守られなかったことを意味することになります。清掃工場は、たとえ結果としてであるにせよ、廃掃法に反する方法でアスベスト建材を処理してしまったのではないか? その責任はだれが負うべきか? 法令を順守するために必要な措置は何か? 一組は答えなければなりません。

 清掃工場の排ガスからアスベストが検出された問題は、環境・健康リスクという点だけでなく、アスベスト規制法令の順守という点でも重大な問題をはらんでいます。(続く)

|2012-08-07T23:33:00+09:002012年8月7日|コメントはありません

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