教育委員会は、区立幼稚園に真剣か ~一般質問から その2~

 今回の一般質問で力を入れて準備したテーマの一つが、区立幼稚園の「適正配置」でした。4つの区立幼稚園を二つにするという案が示された時、私自身もそれがはらむ問題の広がりや深刻さを十分に自覚しきれていませんでした。しかし、いろいろと調査を進める中で、そして何より当該園の保護者の皆さんの強い思いに触れる中で、これは本当に重要な問題だと強く意識し、議会内外で精いっぱいの努力をしてきました。公立幼稚園の固有の意義、公立と私立の関係をめぐる区と区議会の長い歴史的な経過、光が丘のまちづくりの中で今回の問題が占める位置…これまで考え問うてきたことの集約として、組み立てた一般質問でした。
 答弁はさびしいものでした。定員超過状態にある周辺私立幼稚園の現状を示しながら、3年保育の実施を求めたのに対しては「私立幼稚園の運営に影響を与える」ことはできないと。なら、いったい何ができる?…という感じです。規約改正が必要となる管理組合の了解が取れていないことについては、答弁回避。「区立幼稚園を充実させていく」といくら言葉を重ねても、その決意や用意があるとはとても思えない答弁でした。
 質疑と答弁の全文を再録します。いずれも原稿から起こしたものですが、正規の議事録ではありません。

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池尻成二 光が丘地区にある区立幼稚園4園のうち、わかばとあかね両幼稚園を廃止する計画が大きな議論を呼んでいます。廃園の最大の理由は、定員充足率の低下です。しかし、充足率を高めるための対策は、決して幼稚園数の削減だけではありません。区立幼稚園の再生・充実を図る中で充足率を高めることも、大いにありうることです。
 光が丘地区の区立幼稚園は、団地の開発とともに、直接は団地の住民の幼児教育に対するニーズにこたえるために整備されました。この限りでは、現在、4つの園を必要とする理由はもはやありません。しかし、他方で、光が丘以外の各所から、文字どおり全区から送迎バスもないのにたくさんの子どもたちが通っているという事実は、区立幼稚園の個性や意義が大いに評価されてきたことを教えるものでもあります。区立幼稚園の、いったい何が魅力なのか。


 教育委員会の「適正配置実施計画案」は、区立幼稚園を「公平性や平等性が確保されている公共の教育機関」と明記しています。幼保連携、障害児保育、外国人児童の保育、さらには所得の低い世帯も低廉な費用で受けられる保育…。まさに、「公共の教育機関」として、区立幼稚園は私立にない役割と個性を発揮してきました。「公共の教育機関」としてのこうした独自の役割を考慮すれば、安易な廃園ではなく、区立幼稚園の積極的な展開こそが求められているのではないでしょうか。とくに長年の懸案であり、また希望もたいへん強い3年保育を開始すれば、区立幼稚園の定員充足率は間違いなく改善されるでしょう。
 区立幼稚園の3年保育については、教育委員会は「私立幼稚園の経営を圧迫することにつながりかねないのでできない」という答えを繰り返してきました。しかし、公私の役割分担が明確になりつつあることは置くとしても、光が丘地区についてみれば、周辺の私立幼稚園11園の充員率はすでに97%にもなっています。送迎を行っていないために特に充員率の低い1園を除けば、100%を超える過員状態です。しかも、これらの大半が30人以上の学級です。区立幼稚園の3年保育が私立幼稚園の経営を圧迫するという主張は、根拠を失っています。
 あらためて伺いますが、私立幼稚園は区立幼稚園の3年保育に反対しているのでしょうか。また、もし反対しているとしたら、それはなぜでしょうか。
 区立幼稚園2園の廃止については、それぞれの幼稚園が設置された地域の皆さんの理解と合意という点でも、大きな問題をはらんでいます。たとえば、わかば幼稚園が設置されている住棟の管理組合は、当該施設を幼稚園と定めた規約を持ち、それを前提に練馬区教育委員会と協定書を交わしています。もし幼稚園を廃止するのであれば、当然、規約の改定が必要であり、そのためには居住者の大多数の合意が必要です。廃園計画が管理組合や周辺住民の十分な理解と支持のもとに進められるべきことは自明です。
 ところが、管理組合の説明によれば、教育委員会が訪れたのは10月の理事会1回のみ。管理組合への対応は企画課が担当するとの説明であったが、その後、教育委員会からも企画課からも音沙汰なし。管理組合としては「1階に区立幼稚園があることに価値を見出している住民にとって、それは一つの財産である。廃園を了解したとは言っていない」とのことです。管理組合に対する教育委員会や区の対応はあまりに誠実さを欠いており、区立幼稚園が管理組合をはじめとした地域の皆さんに支えられてきたという原点を忘れたものであると言わざるをえません。
 なぜ幼稚園を廃止するかだけでなく、廃園となった施設をどう転用するのか、その際、管理組合や地域の住民の意向や要望をどう受け止めるかも含め、教育委員会はていねいな説明と合意を得る努力を尽くすべきです。そのことがないままに幼稚園の廃園計画を進めることは許されません。区の認識をお聞かせください。

教育長 次に、区立幼稚園の適正配置についてであります。光が丘地区にある4つの区立幼稚園は、光が丘地区の就園需要を満たすために整備したものであり、当時の計画において、周辺私立幼稚園との競合を避けるように配慮するものとしております。現在、4園の充員率は約40%まで減少しており、適正配置は喫緊の課題であります。 
 区立幼稚園の3年保育の実施については、私立幼稚園にとっても、慎重に対応してほしいという意向があるものと認識しております。
 光が丘4園の欠員は約70名となっており、この4園の充員率を改善するために、区立幼稚園の積極的な展開、とりわけ3年保育を実施すれば、当然周辺私立幼稚園への影響は避けられないと考えております。幼稚園全体に対する就園需要が減少している中で、区立幼稚園で3年保育を実施して園児数が増加することは、私立幼稚園の園児数が減少することにつながり、しかも、その影響は光が丘周辺の私立幼稚園に強く現れることが予想されます。私立幼稚園を幼稚園教育の基本としている練馬区においては、私立幼稚園の運営に影響を与える3年保育は避けるべきものと考えております。
 区立幼稚園の適正配置については、計画案の公表後、各園で説明会を開催し、廃止を予定している幼稚園が設置されている住棟の管理組合にも説明してまいりました。
 この計画案に対して、保護者から計画内容の変更を求める意見が出されたことから、教育委員会は、意見交換会の開催などていねいな対応を図ってまいりました。廃園後の跡施設の活用計画については、廃園となる幼稚園が確定することが前堤であることから、利用計画の検討は適正配置実施計画の決定後に行うことが適切であると考えております。
 教育委員会といたしましては、保護者の皆様や地域の皆様のご理解をいただけるよう対応してきたところであり、今年度中に適正配置実施計画の策定を目指してまいります。

|2012-02-19T16:09:00+09:002012年2月19日|コメントはありません

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